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「第4回御坊市民教養講座」池上彰氏が講演 〈2024年1月23日〉

2024年01月23日 08時30分00秒 | 記事


宗教をキーワードに世界の歴史や現在の情勢を
結びつけて語る池上氏


 令和5年度第4回御坊市民教養講座は20日、市民文化会館で開き、ジャーナリストの池上彰氏が「ニュースから世界を見る」と題して講演。池上氏は「線、面にしてみると、今起こっていることの背景がわかる。いくつになっても勉強することが大事。生涯にわたって学び続けることで若さを保てる」とまとめた。

 池上氏は、まず元日に起こった能登半島地震の際、NHKの女性アナウンサーが「テレビなんか見ていないで逃げてください」と絶叫した放送に触れ「そこには東日本大震災のときの反省があった。落ち着いて放送していると、正常性バイアスが働いて、聞き手は『自分は大丈夫。どうせ大したことはない』と思ってしまう。異常事態を知ってもらうため、敢えて絶叫調でやろうとアナウンス室で決めていた」と説明した。
 体育館に布団を敷いて雑魚寝という避難所生活の様子が100年前の関東大震災時とそう変わっていない現実には、トイレ、キッチン、ベッドを24時間以内に確保すべきとの「TKB48」の備えを「ぜひ知っておいて」と呼びかけ、温かいパスタとワインが提供される地震大国イタリアの人権を大切にした避難所運営の仕方を紹介した。
「教養とは、日頃持っている断片的な知識の応用力。蓄えている点の知識を、線に、面に、していく応用力」と、池上氏。「宗教」をキーワードに「ユダヤ、キリスト、イスラムの3つの一神教が、同じ『神様』を信じているのに様々な問題を起こしている」として、イスラエルとアラブの対立の歴史と、ガザ地区を攻める今のイスラエルを欧米が強く批判しない裏にある贖罪意識、ユダヤ人が差別された理由と今ではアメリカで大きな存在感を持つに至った経緯、キリスト教の成り立ちと世界への広がり、疫病流行のなかでの人々の宗教への傾倒など、さまざまな史実が宗教から影響を受け、過去から現在へとつながってきた変遷をわかりやすく解説した。
 アメリカで大きな影響力を持つ福音派の存在と、今年11月に行われる米大統領選挙にも言及。「もしトランプ元大統領が再び大統領になったらどうなるか世界が注目している」として、東アジア情勢や地球温暖化、貿易、ウクライナ情勢、北朝鮮やロシアとの関係などさまざまな視点から予測した。
 最後に池上氏は「今話したことは、みなさん世界史で習った点だった。いくつになっても勉強することが大事。生涯にわたって学び続けることで若さを保てる」とまとめた。


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