紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

御坊市本町商店街活性化シンボルの「キハ603」年内オープンへ 〈2017年3月30日〉

2017年03月30日 08時30分00秒 | 記事

商店街活性化のシンボルに活用する「キハ603」


 御坊市の本町商店街振興組合(坂井和夫代表理事)が紀州鉄道(株)の廃車両「キハ603」を譲り受け、商店街の活性化、まちおこしのシンボルとして活用する計画を進めており、この一環で1月と2月に高校生以上の地域住民、観光客を対象に行ったマーケティングに関するアンケート調査結果がまとまった。「おおむね賛同が得られた」とし、今後、計画を確定させ国に補助金申請し、年内オープンをめざす。

「キハ603」は昭和35年製のディーゼル車両。昭和50年に紀州鉄道が大分交通耶馬渓線より購入し、延べ走行距離76万キロ、延べ約331万人が利用したが、老朽化等で平成24年に廃車になった。現在は紀伊御坊駅で保管しているが、解体の話もあり、坂井代表理事は「キハ車両は御坊市にとって貴重な文化遺産。商店街の活性化、まちおこしのシンボルとして活用したい」とし、市商店街振興組合連合会や御坊商工会議所地域活性化・観光推進委員会の全面支援を受け、活用計画を進めている。
 計画では本町3丁目商店街の空き地(約240平方メートル)を借用し、そこにレールを敷き、キハ車両を置いて保存。車両内を改装して気軽に飲食を持ち帰りできる店(たこ焼きなど)を開くほか、産直市など食にまつわるイベント、高校生人気が高い音楽ライブやコンサート、子ども向けの本を置く「まちかど図書館」、商店街の各種イベント、グッズ販売、各種作品展示などを検討している。敷地には5台分程度の駐車スペース、トイレも整備し、持ち帰りできる店は公募も含めて出店者を探す。
 車両の移動費や改装費、用地の整備費などに約1200万円かかるため、国の補助事業を活用しようと、まず平成28年度地域・まちなか商業活性化支援事業の調査分析事業補助を受けアンケート調査を行った。地域住民438人、日高高校生122人、JR御坊駅などを利用した観光客108人に行い、廃車両の活用は住民の80%、高校生の94%、観光客の90%から賛同が得られた。「利用したい」との回答も7割を超えた。
 活用方法では「気軽に飲食でき、持ち帰りできるテイクアウトの店」が最も多く、次いで「休憩スペース」「イベントスペース」が多かった。イベントでは「食にまつわるイベント」「音楽ライブやコンサート」「料理やものづくりの講習」が多く、観光客は「気軽に飲食でき、持ち帰りできるテイクアウトの店」や「土産物が買い物できる店」が多かった。これらの意見を参考に具体的な活用計画をまとめる。
 坂井代表理事は「紀州鉄道は『りんこう』の愛称で親しまれ、その廃車両を活用することにはおおむね賛同が得られた」とし、29年度の地域・まちなか商業活性化支援事業の地域商業自立促進事業に申請する予定。認められれば1200万円の3分の2(800万円)が補助として受けられる。順調に進めば今年夏に交付決定。その後、車両の移動や改装、用地の整備などを行い、年内オープンをめざす。


その他の主なニュース

 4月2日 御坊LC50周年記念式典

 日高高校今年度卒業生57人が国公立大現役合格

 みはま学園最後の卒園式で119人に修了証書

 日高町内原学童保育所4月1日から開所


この記事についてブログを書く
« 県教職員(管理職)定期異動... | トップ | 日高川の状況をライブで確認... »
最新の画像もっと見る