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日高川町 日本一の公園目指すも獣害深刻 美山のササユリ今年も咲かず… 〈2019年6月14日〉

2019年06月14日 08時30分00秒 | 記事

獣害で食い荒らされたササユリ(昨年)

約2000本のササユリが一面に咲いた(2015年)


1万本のササユリが咲き誇る日本一の公園実現に取り組む日高川町美山の里森林公園で、ササユリが開花しないままピークを過ぎようとしている。県の事業を活用して球根を植えた2015年には、約2000本のササユリが咲き誇る美しい光景が広がった。その後も1000本以上が咲いたが、昨年は開花直後にイノシシと見られる動物に球根が食い荒らされ壊滅状態に。さらに今年開花予定の球根の不作が重なった。バイオセンターや育成協議会では球根の植栽場所を付近の道路沿いに変更して取り組みを継続していくという。

 藤棚の長さが日本一で知られる椿山ダム湖畔の公園。開花ピークの6月上旬を迎えても、藤棚の周囲にはササユリの姿が見られない。県の事業を活用して地元の児童らが球根を植栽した4年前には、公園一面に約2000本の花が咲き誇り、フジの花に次ぐ日本一のササユリ公園実現に期待が高まった。3年前と一昨年も約1500本が咲き、取り組みは順調に思われた。
 しかし昨年5月末、開花時期を迎えたササユリが根元から掘り起こされ、壊滅状態となって発見された。開花が始まり、大きくなった約1000本のつぼみが咲きそろう姿を目前に、イノシシと見られる動物に球根が食い荒らされた。さらに、昨年は春の発芽不良、7月の高温や台風の襲来で球根が不作になり、新たな球根を植えられない状態となった影響で、今年はササユリの姿がなくなった。
 球根を養成するバイオセンター中津では、平成19年から自主的に販売に適さない球根を植栽。日本一長い藤棚と並ぶ「1万本のササユリが咲く公園を」を合言葉に、育成協議会の協力を得て累計で数万個の球根を植え続けてきた。しかし、同公園にはイノシシなどの小動物が出没し、球根を食い荒らして昨年は大被害に。獣害の対策にも取り組んだが、公園をフェンスで囲うわけにもいかず抜本的な解決にはならなかった。
 バイオセンターで「藤棚の下は、ササユリの生育環境にも適し、観光面でも期待していた。獣害がなければ今頃は1万本の公園も夢ではなかった…」と肩を落とすが、日本一のササユリが咲く公園の実現はあきらめない。獣の被害に遭わない椿山ダムから公園に続く道路の斜面に球根を植えて取り組みを継続する。 


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