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御坊祭・島組の傘幕等祭具、見つかる 〈2023年11月10日〉

2023年11月10日 08時30分00秒 | 記事



島組の傘幕(上)、獅子舞の頭と幕(下)


 毎年10月5日に御坊市小竹八幡神社で執り行われる日高地方最大の秋の例祭、御坊祭で島組が昭和45年頃まで神賑行事で使用していた傘鉾の傘幕や獅子頭などの祭具が関係者の手によって島会館で見つかった。傘幕は側面が珍しい絹製で島組の文字とともに唐獅子ボタンと、獅子などが描かれている。半世紀の歳月を経ての貴重な文化財の発見は関係者らを驚かせている。
 
 関係者によると、組印「松」の島組はかつて四つ太鼓や屋台、獅子舞など神賑行事を行っていたが、披露したのは昭和45年頃が最後。今回、当時使用していた傘幕とともに、獅子舞の頭と幕、四つ太鼓の太鼓と乗り子が座るじゅうたん、屋台の大太鼓と小太鼓が見つかった。
 これらの祭具はかつて島の東正会の会場に保管されていた。会場の取り壊しに伴い、昭和55年頃に完成した島会館に移されていたが、それ以来、日の目を見ることなく歳月が流れていた。
 今回、コロナ禍で4年ぶりに本格的となり大きな盛り上がりを見せた秋祭りの終了を機に、細川幸三さんら島組の総代や島会館の関係者らが島会館で祭具を探したところ、奥の倉庫から見つかった。
 傘幕は直径140センチの大きさ。側面は高価な真っ白な絹製で島組の文字とともに真っ赤で艶やかな唐獅子ボタンがあしらわれ、勇壮な獅子が描かれている。側面の素材は四つ太鼓の天幕などと同じ「緋羅紗地」「氈地」を使っているところがほとんどだが、絹製は珍しい。県教育委員会にある当時の資料と照らし合わせたところ一致、当時使用されていた傘幕と同一のものであることが判明した。
 四つ太鼓の太鼓は損傷が激しく、屋台の2つの太鼓はやや劣化しているが、獅子の頭とブルーを基調とした幕は傷んでおらず、いますぐにでも使用できるほど。地域と人々の歩みを物語る貴重な文化財の発見は関係者を喜ばせ、傘幕について総代の細川さんは「修復をめざしていきたい」と話している。


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