紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

御坊市で地域間交流舞台、4府県8団体の小中高生熱演 〈2023年11月7日〉

2023年11月07日 08時30分00秒 | 記事


御坊での初公演で総勢77人が熱演


 日高川町の「あすなろ倶楽部・絆の星」や沖縄県の「那覇青少年舞台プログラム」と「肝高の阿麻和利」、大阪府の「表現倶楽部うどぃ」の卒業生4人が中心となり、佐賀県を加えた4府県8団体の小中高校生77人が出演する「地域間交流舞台」の初公演が5日、御坊市民文化会館で朝、昼の2回行われ、道成寺の安珍清姫伝説と沖縄の組踊のつながりを描いた「巡火の縁未来への光」を熱演し、多くの観客から大きな歓声と拍手を受けた。

 プロジェクトの始まりは、あすなろ倶楽部・絆の星卒業生の竹本晴登さんが高校生だった2019年。「各地から子どもたちを集結し、歴史のつながりをテーマに舞台をする」「後輩たちに多くの出会いを経験してほしい」との思いを持ち、肝高の阿麻和利の稲福翔さん、表現倶楽部うどぃの山中敬太さん、那覇青少年舞台プログラムの玉城歩未さんに声をかけ、プロジェクトがスタート。
 遠距離に加え、コロナ禍の中、何度もリモート会議を重ね、各団体の代表や卒業生、スタッフらの協力を受けながら完全オリジナル作品づくりを進めた。テーマソング「巡火の縁」が完成し、2022年に沖縄での合同合宿を経て、その後、脚本が完成し、劇中の楽曲やダンスも出来上がり、各地での稽古、月1回の合同稽古を重ねたという。
 参加団体には、御坊市の「ともしび」や大阪府の「ひらかた肝高倶楽部」、佐賀県の「表現の絆みらぃ」と「飛翔倶楽部たけお」も加わり8団体になった。公演に向け、50万円を目標にクラウドファンディングを行い、約85万円の寄付が寄せられ、和歌山県文化振興事業補助事業も受けた。
 こうして迎えた初公演には多くの観客が集まり、4府県8団体の小中高校生77人の舞台を見守った。現在とタイムスリップした江戸時代の和歌山、沖縄、大阪を舞台に、安珍清姫伝説が組踊の題材として取り入れられたという「歴史がつないだ縁」「人と人とのつながりの大切さ」を舞台上で熱演。劇中歌、効果音等は生演奏され、息のあった見事なダンスをまじえながらの舞台に観客から大きな拍手と歓声が送られた。
 後半では、あすなろ倶楽部・絆の星など団体別のパフォーマンスもあり、2時間を超える初公演は大成功に終わった。4人のメンバーは「いろんな壁をみんなで乗り越えてきた。このつながりを絶やさず、さらに広めたい」などとあいさつ。次の目標は「巡火の縁、那覇公演」。「何年後になるか先が見えないが、ここで生まれたつながりを絶やすことなく、つなぎ続けたい」とした。


 その他の主なニュース

洋画家、野田裕示氏(御坊市出身)が御坊市に絵画を寄贈、新庁舎5階に展示

森岡田人の会が御坊市塩屋町の遊休農地でコスモスフェスティバルを開催

美浜町人権教育講演会で落語家の二代目林家木久蔵さんが講演

御坊市、印南町、日高町が「世界津波の日」に合わせ地震・津波避難訓練を実施