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御坊市・公共交通維持へ来年度計画策定 〈2022年6月25日〉

2022年06月25日 08時30分00秒 | 記事


御坊市内を運行する路線バス


 御坊市は、将来の地域公共交通確保維持に向け、事業者や利用者、行政など関係機関で構成する地域公共交通活性化再生協議会を設置し、27日に市役所で初会合を開く。全国的に地域公共交通機関の利用者が減少する中、市内や周辺町でも同様の傾向にあり、現状のままでは将来的に地域公共交通が維持できず、公共交通サービスが低下する恐れがあるため、利用実態調査を行い、今後のあり方などを協議し、来年度中に地域公共交通計画を策定する。

 公共交通の大きな役割を占める路線バスの県内利用者はピークの昭和46年から8割減少し、過去10年間で累計406・2キロ(和歌山市~御坊市4往復分)の路線が廃止された。市内を走る路線バスは平成15年当時は2社8路線あり、年間乗客数は約59万4千人いたが、22年は6路線約39万3千人、令和元年度は6路線約19万4千人に減少。また、市内を運行する紀州鉄道の年間乗客数は平成10年の15万2415人から15年は10万7743人に減り、19年に9万人を切った。その後は持ち直し、最近は10万人前後で推移している。
 事業者が市町とタイアップして利用促進キャンペーンを行い、市は昨年度から高齢者や障害者の外出支援対策で従来のタクシー券を廃止し、タクシーだけでなく、路線バスや紀州鉄道など公共交通機関で使える外出支援券に切り替えたほか、地域公共交通バス路線確保維持事業補助金として県とあわせて年間約2500万円、地域鉄道運行維持対策補助金として約64万円補助しているが、利用者が少ない路線は常に廃止の恐れがつきまとう。
 総合計画市民アンケートを見ても公共交通サービスは施策の重要度は平均値より高いにもかかわらず、市民の満足度は平均値よりも低く、将来に向けた維持確保対策は課題の一つ。これまでも事業者や周辺町、県など関係機関と協議し、地域公共交通機関の在り方を検討してきたが、的確な打開策がないのが実情。現状のままでは将来的に維持できなくなり、市の公共交通サービスが低下する恐れがあると危機感を持ち、協議会を設置し、今年度から来年度にかけて対策などを検討することにした。
 協議会は事業者側から熊野御坊南海バス㈱、中紀バス㈱、御坊第一交通㈱、中紀河南タクシー㈱、紀州鉄道㈱、JR和歌山支社、県バス協会、県タクシー協会、県ハイヤー・タクシー協会、御坊南海バス労働組合。利用者側から市自治連合会。行政側から和歌山運輸支局、紀南国道事務所、県、日高振興局、印南町、日高川町、御坊警察署のほか、和歌山大学も参加。27日午前10時から市役所で初会合を開き、今後の取り組みを協議。まずは現状を把握するため、年内に利用実態調査を行う予定。


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