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由良町地域おこし協力隊の橋本さんがオンライン教育準備 〈2020年5月30日〉

2020年05月30日 08時30分00秒 | 記事


オンライン教育に取り組む協力隊の橋本さん


 由良町地域おこし協力隊の橋本美奈さん(31)=大阪府出身=が、オンライン教育の実践に向け準備を進めている。新型コロナウイルスで一次産業が打撃を受けていることから、インターネットを通じ地域と教育を結びつけようと発案。第一弾は「食と農」で、特産物のミカンを取り上げ、農業者の協力を得て選果の模様を動画で流すなどテスト配信を実施。コンテンツが整えば年内に開始する予定だ。

 橋本さんは地域おこし協力隊に応募し2年前に同町に移住、町内の観光振興などに取り組む。
 コロナの感染拡大で緊急事態宣言や休業要請が出され、地域経済が止まった。観光客で賑わうはずのGWごろ、地元の漁業者から「魚が売れない」との話を聞き、ネットを活用した販売法を探ることに。コロナで外出自粛や休業せざるをえなくなったが、一般に「オンライン」が浸透し始めたことから、関心のあったオンライン教育と結びつけようと考えた。
 テーマは「一次産業のものづくりに対する思い」。協力隊になって間もなく和歌山大学で聴講生として「食農」を学び、予想以上に若い人が農業に興味があると実感。都会に行くほど農業がどういうものか知られていないと感じ、子どもたちの将来の選択肢になればと、オンライン教育からのアプローチを考えた。
 フェイスブックで教育に関心のある保護者と知り合ったこともあり、テスト配信を実施。1回目は神奈川、群馬、岐阜、奈良の親子に向け、「ミカン」をテーマに地元の農業者を講師に迎え、スーパーに商品が並ぶ前段階として農家が果実を選別、選果場でも機械や人の目を通して大きさや糖度、傷がないかチェックし、規格外の果実はジュースなど加工品として販売されていると紹介。
 農家が選別している様子を動画で流し、最後に子どもたちの質問に答える内容で45分~60分にまとめた。事前学習として予習した子どもたちから質問を受け付け、授業後は復習につなげていく。
 地域との結びつきでは、農作物をネットの販売サイトに掲載しPR、オンラインで商品と地域を結びつける教育内容をライブ配信し、限定URLを通じて商品を購入してもらうのが狙いで、教育と同時に農業者の利益にもつなげたい考え。課題は仲間を増やすことで、一次産業に携わる農業者、都会とのネットワークを結ぶ協力隊の存在が必要だという。
 橋本さんは「オンライン教育への期待は地域が生き生きすること。コロナで外部と距離をとらなければならないだけに、利用してもらえるコンテンツにしたいと考えています。地域の方々にも、あいつ(私)に言えば何とかしてもらえると思ってもらえるようになりたい」と意欲を見せる。


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