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県人会世界大会 会員45人がふるさと巡り 美浜町三尾や日高高校で温かな交流  〈2019年11月27日〉

2019年11月27日 08時30分00秒 | 記事

県人会員らに向け、語り部ジュニアカナダ研修を報告する生徒ら(日高高校)

日系カナダ人の踊り「ワンダフル・カナダ」を披露する県人会のメンバー


  国内外の移住者ら県人会会員が一堂に集まる「和歌山県人会世界大会」が24日に和歌山市であり、参加者らは25日から27日まで紀北、紀中、紀南の3コースに分かれてのふるさと巡りツアーで各地を訪問。紀中コースには東部カナダ県人会の45人が参加。25日にはカナダ移民のふるさと美浜町三尾地区を訪ね、カナダミュージアムの見学や旧三尾小での歓迎会で地元住民らと交流を深めたほか、日高高校も訪れ生徒たちを前に和歌山県や三尾との交流継続、発展を強く願った。(以上リード)

 25日は午前に美浜町三尾を訪れ、地元民らの歓待を受けながらカナダミュージアムなど見学し、午後は日高高校へ。体育館で開いた歓迎集会では、箏曲部が演奏を聴かせ、池田尚弘校長が英語で歓迎の言葉。東部カナダ県人会の後★吉之フランク会長は歓待に感謝し「高齢化が進み、今や後期高齢者は私も含め会員の半数以上」と会員の減少と高齢化の現状を述べ、和歌山県やルーツある美浜町三尾との付き合いの継続、発展を願った。
 記念講演として、会員の西風文弘さんは自身の職業経歴を語り、60年の経験から得た教訓として「ポジティブに考え、前向きに頑張れ」と生徒らに指南。ほか2人が講話した。
 翔栄館での交流会では、塩崎優衣さん、谷本楓さん、玉置朝花さん(ともに3年)が昨年のSGHカナダ研修を報告し「高齢化が進む今、日系移民の歴史を語り継ぐ存在が必要」など感じたことを発表。アメリカ村移民の歴史文化を英語でガイドできるよう学習を続ける語り部ジュニアの小串楓子さん(2年)らは、今年8月に実施したカナダ研修を報告した。
 後★会長は「カナダミュージアムは懐かしい感じがした。カナダではハイスクールは服装が自由だが、日本はきちんと制服を着て整っているね」。ほか会員らは「日高高校の生徒はまじめ。カナダの高校生はメイクアップしているわ」など話していた。
 旧三尾小での歓迎会では、一行は地元住民や移民家族ら数十人と交流を深め、カナダ移民130年の歴史に思いを馳せた。
 地元美浜町の籔内美和子町長は「130年前に果てしない海の向こうに夢を持って知らない国に渡られたカナダ移民の父、工野儀兵衛氏は町民にとって偉大な人。皆さまもこの三尾の地でご先祖や縁故者が暮らしていたルーツを探す旅で少しミステリアスな気分だと思います。最高の思い出となるよう願っています」と歓迎。東部カナダ県人会の後★会長は、海に貝取りや魚釣りに出掛けたり、相撲を取ったこと、戦後の食糧難も海の恵みや畑で作った作物がおいしかったことなど、幼い頃に過ごした三尾村での思い出を振り返り、「戦後三尾村からたくさんの人が移民した。カナダの現在の日系人は12万1485人で戦前の約6倍に増えている。カナダの県人会は三尾からの出身者が多く、これからもこの長い歴史のお付き合いが発展することを祈っている」と語った。
 三尾地区の移民の歴史を英語で語る活動をしている「語り部ジュニア」の出石美佐さん(51)、栗林愛結さん(19)が取り組みと三尾のカナダ移民の歴史とルーツを紹介。区民の中野幸さん(69)が、当時カナダをめざして旅立つ舟を見ながら区民らが歌った「移民送出の唄」を披露。まだ見ぬ大陸をめざす覚悟、寂しさと不安、航路を表現した歌詞を歌い上げた。カナダ県人会のメンバー7人が、日系カナダ人の踊り「ワンダフル・カナダ」を踊った。ブルーの法被姿で日本とカナダ両国の国旗を手に軽快なメロディーに乗って踊り、会場を楽しませた。


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