Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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デカール加工

2017-03-24 01:30:41 | その他
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さてさて新しいF355は製作開始できなかったけど出来たこともありますよ。

私にしては珍しいご依頼なんですが、アイドロンフォーミュラーのデカール加工なんです。
普通はミニカーを販売するショップさんでアイドロンフォーミュラーに付属しているタバコデカールを貼って加工して販売されるものが多いのかと思っていましたが・・・実はそうで無い物もあったんですね。

ご依頼をいただいたお客様はショップさんが加工されたデカールの貼ってある位置では納得いかなかったらしくて私のところにご依頼をいただいたらしいです。

このような場合どの様な位置関係で貼ったら良いのか・・・
どうやってお客様のイメージを汲み取ればいいのか・・・デカールを綺麗に加工するよりも先に考えなければいけない事がたくさんある事がわかります。

またレースによって貼ってあるデカールの位置が多少違っている様に見えたりもいたします・・・なかなか難しいところなんです。
今回のお客様はメールでのご依頼なのでインターネットで画像を検索できる方と見当をつけて、お客様にご自分のイメージに近い画像を拾って送っていただく様お願い致しました。
これならお客様のイメージをそのまま受け取る事ができそうです。
例えば送っていただいた部分がどの部分なのかでそのデカールの位置を十分配慮すれば良いのです。

しかし、それ以外にも注意は必要ですけどね。


MP4/6から作業開始です。
全体を眺めてから開始ですね・・・



そうそう、デカールを貼る前にしておかなければならない事がありました。
リアウイングの中央にある補強を取り外しておかなければなりませんでした、この部位分にもマルボロのデカールが付くのですがこのステーの下側になりますからこれを外さない場合はデカールを中央でカットしなければなりません。
中央をカットしますと左右上下のバランスが取りにくくなりますので、ステーの方を取り外して作業した方がまとまりがいいと思っています。

その前に準備も必要でしたね。
ステンレスのピンセットで塗装済みの部品をつまんだ場合ピンセットの先で部品を傷つけたり飛ばしてしまって行方不明になってしまう場合もあります。
これを防止するためにピンセットの先にマスキングテープを貼っておきました、これはご同業のエヌエフさんのブログでいつもよく見るものですが今回初めてやってみました。
私の場合は組み立て用のピンセットの先にエポキシ系の接着剤を塗ってコーティングしておいています。
どちらが良いかは真似してみて実際に使いやすい方法を考えられるのがよろしかろうと思います。
ピンセットにマスキングテープは先の細いピンセットの能力を少しスポイルしてしまう様に思います。
細いピンセットの先がマスキングテープで太くなるとちょっと使いにくいかな・・・
まあエポキシ系の接着剤を厚く塗ってしまっても同様なので薄っすらと塗られることをお勧めします。耐久性は接着剤の方がいい様な気がします・・・が。

リアウイングのデカールは上下寸法が少し大きめだったのと文字の下側のラインが少し揃っていない様に感じたので上側と下側をほんのわずかカットしまして使いました。
デカールの上に残っているのはそのカットした余分のものですね。
髪の毛よりも細い感じがするくらいほんの少しです。

上側から貼るのが正解なのか、下側から貼るのが正解なのか・・・私は知らないけど
どちらから貼ってもリスクがある様な気がします。
下から貼ると文字のバランスから左右のバランスが取りにくい感じがします・・・。
上から貼るとバランスは取りやすいのですが下を貼った時に先に貼った上側の文字がズレる可能性があります。
どちらもリスクがあります・・・
今回はお客様のリクエスト上バランス優先と思って上から貼りました。

次に下を貼って・・・

次はフロントです
フロントノーズの部分にもマルボロのロゴがあります。
このロゴはフロントのサスペンションの左右のプッシュロッド取り付け部分の間に収まらなければなりませんが・・・ちょっと長いのです
このロゴですが実は少し特殊なロゴでして中央部分のlとbの部分が少し長いのです。
いつもの様にアルプスプリンターを使えばなんの問題もなく出来るのですがクリアーコートをできない完成品に貼るのには耐久性に問題が出るでしょう。
そこで手持ちのTameoのキットから・・・抜きました。

このデカール加工の仕事はお客様のあることですから正確には申し上げられませんが・・・そんなに高価な仕事ではありません。
ほとんどのショップでは無料で行うほどの加工です。
しかしお客様は私を見込んでご依頼をいただいております、こちらも誠意を尽くして加工させていただきます。
下の画像をご覧いただくとわかりますが同じデカールですが下側は完成品に付いていたマルボロで幅が9.0mm程度あります。
上はタメオキットの物で幅が0.3〜0.4mm程度小さいのです。
こちらを使うことにいたしました。

下側は2枚ともキットに付属しているデカールを貼ったところです。
Mの右側にこのくらい白い部分を残したいのですが・・・

この位置ですと左側は余白が残らないのです。
だからタメオのデカールを使用しました・・・どれだけ余白が取れたかは後ほど・・・実はアップの写真を撮り忘れました(笑)

リアウイングの補強のプレートを元に戻します。
取り付ける接着剤は元と同じゴム系の接着剤で元どおりです。

一番のポイントはこのマルボロですね。
貼り付けるポイントはEマークの部分が右から2つ目のOの上側になる様な位置関係で貼っています。
上下は送っていただいた画像からバランスをとって決めました。
文字の大きさや下側のパワードバイホンダのデカール位置など微細な誤差はクリアーコートされていますので動かしようがないのでこのあたりはあくまでもバランスで・・・ということになります。

反対側はこの位置になります。
この位置もいただいた画像から判断して決めています、もちろん左右のバランスも見比べて考慮しました。
フロントのマルボロの部分が少し写っていますがおの左側に少し余白があるのがわかりますね。
新しいキットを開けて少し小さなデカールを使った意味がここにあります。


次はFerrari641/2ですね
こちらはもっと自由度がないです
マルボロのマークの上に新しいデカールを貼るだけです。
位置を動かすことはほぼ出来ませんしその必要なないと思います。

フロントのウインドウスクリーンの前側です・・・ここも同様ですね。

反対側の側面です。
貼るのは簡単だけど少しでもズレるとわかりやすいですから注意は必要ですね。


次は4/5Bですね

左側はマルボロのaの上の吊り下げようの穴を目標に貼っています。
高さやデカールの大きさも申し分ないですね。

フロントのデカールも4/5Bの方は少し小さい様な気がしますがこちらのノーズの方が幅があるからその様に感じるのかな!?
まあいい感じなので少し安心しました・・・。
またタメオのキットを探さないといけないかと心配しました(笑)

反対側はこんな感じですね。
こちら側の目標はキルスイッチのマークの後ろ側の穴が目標ですね。
oの上側にある黒いものがその凹みです。
まあこれも間違いようのない位置関係です。

リアウイングもこの通り・・・MP4/6と同様に上下をほんの僅かにカットして納めました。
補強のステーもデカールを貼った後で再度取り付けました・・・この辺りもMP4/6同様ですね。

裏側のマルボロは少し考えました。
実は送っていただいた画像がちょうどプロストと絡んだ部分でしてそれを後ろから写したものだったのです。
この状態で見ますとマルボロのマークは2枚有るフラップの上側しかなくて意外にも上側に近い部分に貼られているのです。
今回はこの画像と同様になるべく上側に寄せて貼りましたが、全体としてはデカールの下側が下側のフラップに隠れてしまいますからめちゃめちゃ上側に貼られた印象はありません。
マルボロの文字の上側に余り余白が無いことでなんとなくそんな感じに見えるという程度です。

全ての作業が完了しますと中のビニール袋を新しいものに取り替えて箱に戻します。
これは修理でも加工でも完成品を扱う場合にはスタンダードな作業です。
ご依頼いただいたお客様に再び開封の喜びを味わっていただくための心遣いです。

送っていただいた時の箱に収納しまして明日はお客様のもとに発送予定です。



本日は大変長くなりましたが、私の作業を正確にお客様にお伝えするために丁寧にご説明をさせていただいたつもりです。
この後またお客様に明日発送のご連絡が待っております・・・(笑)


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