僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

そうか、もう君はいないのか(城山三郎)

2013年01月20日 | よむ

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これはとてもいい本だ。

城山三郎といえば経済小説の重鎮で

坦々とした抑揚のない文章が

わかりやすくも没個性的で苦手としていた。

しかしこの本は死別した妻との思い出を

生前の城山が描きためた随筆のようなものを娘さんがまとめた

随筆集のようなものであり

城山の作品の中でも異色である。

内容は死んだ妻へのラブレターの一言に尽きるのだが、

読んでいるこっちが恥ずかしくなるくらいだ。

あんなこともあったなぁ

こんなこともあったなぁ

とページはすすみ、

さすがに書けないことは書いていなのだろうけど、

最初の一文字から最後の「。」まで妻への思いがあふれている優しい一冊。

いい歳のとり方をしているなぁ

と思う。


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