僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

一九八四年(ジョージ・オーウェル)

2024年02月20日 | よむ

ザ・ディストピア小説。
行きつけの美容院の方からのお勧め。
まずこれが1949年に刊行されていることに
驚きを禁じ得ない。
村上春樹のIQ84もこの一冊がなければ
存在しなかったらしい。
たしかにビッグブラザーとリトルピープルだ。
幸いなことにここ日本での
1984年は国内はバブル前夜で
輸出に支えられた好景気で
世界は冷戦の真っ最中だった。
小説内での1984年は
現在のイギリスロンドンの管理社会が舞台となっており
南北米にイギリス・オーストラリアを含むオセアニア、
文字通りユーラシア大陸をほぼ網羅するユーラシア、
イーストアジアに由来すると思われるイースタシアの3勢力と
三竦みの空白地帯の計4ブロックに世界は分かれていた。
ただロンドン市民に直接的に関係あることではなく
目隠しされたまま中央局からの伝達事項として
一報通行に伝えられる程度のもの。
この辺りスターリンや毛沢東の統治に供するものがあり
戦争の延長線で統治をおこなうと
こんな世界がやってくるの
お手本のようであり、
また
現代も気が付かないだけで
この世界線を実は交わっているように思う。
愚者は経験に学び、
賢者は歴史に学ぶというが
個々が歴史に学ばず
考えるのをやめてしまったとき
ビッグデータという名のビッグブラザーに
我々が飲み込まれてしまう日も
実は近いのかもしれない。
救いなのは
文末付録のNEW SPEAKに対する注釈が
過去形となっており
ビッグブラザーによる統治が過去のものであることを
暗喩していること。

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