勇気は、その気になれば誰にでも出せるが、実力は、ない者には出せない。

2012年11月05日 | 勇気について

5-8-6.勇気は、その気になれば誰にでも出せるが、実力は、ない者には出せない。
 戦いでは、実力が同じなら、勝つのは、勇気の勢いの分だけ勝るから、勇気ある方になる。少々相手が実力は上でも、勇気があれば、勝ちに導くことは可能である。だが、相手の実力が圧倒的な場合、勇気を出しても勝つことはできない。勝つには、勇気ではまにあわない。実力をつける以外ない。
 骨と皮だけの痩せの小男でも、大横綱と戦う勇気は出せる。命を惜しまねば横綱に堂々と対決できる。勇気は、当人がその気になれば、どんなに強いものに対しても出せる。だが、勝つことは、いくらそういう気骨・気力をもってしても、不可能である。それだけの実力がないものには、そういう力はだせない。勝つためには、勇気ではなく、対抗できるだけの実力をつけることである。
 その実力の養成は、がむしゃらでは効果はうすくなる。確実に速やかに高い実力を養成するには、やはり、理性を動員することである。マラソンの実力をあげるには、走ることがまず第一だが、それだけでは、無策である。効果的にするには、心拍数とか走り方とかを科学的合理的に把握し分析して最善の走りをもってすることである。
 実力が身につけば、勇気は、これを土台にして、より強いものに勝利することが可能となる。勇気は、から元気では続かない。実力の裏づけを得ることができれば、自信をもって勇気を振るうことができる。勇気が一番頼りにできるのは実力である。
(完)

(以上で、勇気の試論は終わりです。これまでの全体は、以下のところにまとめています。http://www.geocities.jp/hiroshimakondo/andreia.htm)

*広大図書館の「広島大学 学術情報リポジトリ」に入れてもらいました。以下のアドレスです。(http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00033771

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