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米大統領選で、バーニー・サンダース氏の支持の理由は、日本の金融政策の行き詰まりにも見ることができる。

2016年02月12日 13時25分17秒 | 日記
 米国大統領選挙のニューハンプシャー予備選では、民主党候補のバーニー・サンダース氏がクリントン女史に圧勝している。

 まだまだ民主、共和の候補者の大統領選は、3月のスーパーチューズデイを待たないと推測はしづらいが、民主党候補者のバーニー・サンダース氏が、全米の若者に支持されていることに注目すべきだ。

 彼は自分でも自称しているように社会主義者だ。

 金融資本主義社会が行きつくところまで行っている米国では、かっての資本主義社会とは異なるマネーゲームの社会になってしまっている。

 筆者がWSJの社説にある、バーニー氏の政治姿勢に、多くの若者が賛同している理由は、金融資本主義の行き詰まりを感じているからだと思う。

 すなわち「社会主義者がかつて言っていたように、手始めは銀行だ。「21世紀のグラス・スティーガル法」を通じて、最大手の銀行を解体するだろう。これは単に投資銀行と商業銀行を分離するよりはるかに野心的なものとなる。また、国家安全保障に関する最大の懸念は気候変動だとして、気候変動への反対論者を対象にした犯罪捜査を要求した。

 同氏は多くの増税策を提案しており、その中には高額所得者を対象にした大幅な税率の引き上げが含まれる。具体的な数字には言及していないが、レーガン政権以前(70%)や、ニューディール政策当時(94%)の税率をしばしば愛おしげに引き合いに出していた。国民皆保険制度を賄うために中間所得層を対象に新たな給与税を導入することや、年間25万ドル超を稼ぐ人に対しては社会保障税の課税上限額(現在は11万8500ドル)を撤廃することも打ち出している。

 さらにサンダース氏は、自身が「投機的」と呼ぶウォール街の取引にも課税したいと考えている。フランスの社会党が導入を試みたような類のものだ。だが、世界のどこであろうと金融取引は可能であるため、効力を持つには至らなかった。サンダース氏が打ち出しているこれら全ての案は通常であれば政治的には自殺行為だ。だが、同氏は増税に関する自身の公正さを真正な進歩主義者であることの証しとして利用している」と説明する。

 さて今日の日経平均株価の前引けは、10日終値と比べて838円74銭(5.34%)安の1万4874円65銭と1,5000円を割り込んだ。

 午後にはかなりの公的資金の買い戻しが入るであろうが、今やコンピュータを使った高速取引で売り買いがされるため、予想以上に株価の振幅が激しくなる。

 ただ日本も金融資本主義が今やメインストリームになっており、日銀も国益を考えてのマイナス金利導入であったのかはなはだ疑問だ。


(ウオールストリートジャーナルより貼り付け)

【社説】サンダース候補を真剣に受け止めるべき時
トランプ氏との対決なら15ポイント差でリード
2016 年 1 月 21 日

原文 (英語)

 米大統領選で民主党の指名獲得を目指すバーニー・サンダース氏を、今こそ真剣に受け止めるべき時だ。このバーモント州選出の上院議員は大統領選を控えた最初の党員集会が行われるアイオワ州と、最初の予備選が行われるニューハンプシャー州でリードしている。17日の民主党候補による公開討論会では初めて、自分は勝てると思っている候補者のような論陣を張った。民主党の最有力候補と目されるヒラリー・クリントン前国務長官を超える人気があるわけではないが、自称社会主義者の74歳が党の指名を獲得する姿を想像するのはもはや不可能とは言えなくなったようだ。

 サンダース氏を共和党の指名争いでトップを走るドナルド・トランプ氏の「進歩主義者バージョン」て表現するのは「いま風」だが、これは現状に満足していない国民から支持を得ているという点でのみ通用する表現だ。トランプ氏にはポピュリスト(大衆迎合主義者)的な直感が備わっているが、イデオロギー面で確かな信念はほとんど持ち合わせていない。一方、サンダース氏は筋金入りの左派だ。彼が指名されれば、1972年のジョージ・マクガバン氏以来、最も左寄りの民主党候補になるだろう。だが、彼が打ち出している経済政策はより急進的で、1930年代以降の米国では経験がないものだ。

 サンダース氏は今週、民間の医療保険に終止符を打つことになる公的な国民皆保険制度案を提示した。同氏にはオバマ大統領の医療保険制度改革(オバマケア)に対する国民の不満が見えている。そしてそれを「左向き」に変えたいと考えている。また、高等教育や幼児保育の費用を政府が負担する給付金の対象にすることや、公共事業への1兆ドルの拠出、最低賃金の1時間 15ドルへの引き上げ(現在7.25ドル)、さらに社会保障の大幅な拡充を訴えている。

 同氏は生産手段の管理を政府に任せることになるだろう。社会主義者がかつて言っていたように、手始めは銀行だ。「21世紀のグラス・スティーガル法」を通じて、最大手の銀行を解体するだろう。これは単に投資銀行と商業銀行を分離するよりはるかに野心的なものとなる。また、国家安全保障に関する最大の懸念は気候変動だとして、気候変動への反対論者を対象にした犯罪捜査を要求した。

 同氏は多くの増税策を提案しており、その中には高額所得者を対象にした大幅な税率の引き上げが含まれる。具体的な数字には言及していないが、レーガン政権以前(70%)や、ニューディール政策当時(94%)の税率をしばしば愛おしげに引き合いに出していた。国民皆保険制度を賄うために中間所得層を対象に新たな給与税を導入することや、年間25万ドル超を稼ぐ人に対しては社会保障税の課税上限額(現在は11万8500ドル)を撤廃することも打ち出している。

 さらにサンダース氏は、自身が「投機的」と呼ぶウォール街の取引にも課税したいと考えている。フランスの社会党が導入を試みたような類のものだ。だが、世界のどこであろうと金融取引は可能であるため、効力を持つには至らなかった。サンダース氏が打ち出しているこれら全ての案は通常であれば政治的には自殺行為だ。だが、同氏は増税に関する自身の公正さを真正な進歩主義者であることの証しとして利用している。

 これは社会主義者の夢物語のように聞こえるかもしれない。だが、サンダース氏は民主党候補者による討論会で議論の流れを急激に左に寄せ、クリントン氏はサンダース氏の後追いを余儀なくされた。クリントン氏の政策は部分的にサンダース氏の提案と重なり、大半の国内問題でオバマ大統領の左をいく内容となった。

 クリントン氏は民主党候補のなかで依然トップを走っている。しかも、共和党の場合と異なり、労働組合や環境問題活動団体、フェミニストといった民主党支持層の力強い本流がクリントン氏の味方に付いている。11月の本選では自分に最も勝算があるというのが彼女の主張だが、今より1年前のほうがより説得力があった。

 クリントン陣営は脅威を感じている。左派のメディアが急に向きを変えてサンダース氏を取り上げているからだ。愛すべき左派の好々爺(や)としてのサンダース氏なら問題なかったが、クリントン氏の信奉者たちも突然、サンダース氏があまりに社会主義者であることに気付いた。サンダース氏は他人の批判を気にせず信念に従って行動しており、彼の魅力はそれに対してより正直であることだ。

 サンダース氏はまた、クリントン氏の倫理感の弱さとウォール街の影響を受けやすいことについて、慎重ながらも言及するようになった。討論会でサンダース氏は「(クリントン氏が)ゴールドマン・サックスから講演料として1年間に60万ドル超を受け取った」と指摘した。それにもし、私的なアカウントを利用して電子メールでやりとりした機密情報の扱いをめぐり、クリントン氏に対する法的措置を連邦捜査局(FBI)が推奨すればどうなるのか? 別の誰かが民主党の指名争いに名乗り出る可能性もあるだろうが、もう遅すぎるだろう。

 共和党員の多くはサンダース氏の指名獲得を望むと話す。容易に勝てる相手だと見込んでのことだ。だが、確信を持ってはいけない。少なくとも今年はだめだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCテレビが登録済みの有権者を対象に実施した最新の世論調査によると、共和党候補としてトップを走るドナルド・トランプ氏はサンダース氏に15ポイントの差で負けている。トランプ氏はクリントン氏にも負けているが、その差はわずか10ポイントだ。

 11月の本選にはまだ遠い時期に行われたこうした世論調査は信頼性が低いが、民主党の勝算には影響するはずだ。仮に、共和党の候補がトランプ氏かもしくはテッド・クルーズ氏に決まりそうな情勢になれば、自分たちが本当に望む候補に傾いてもいいのではないかと考える民主党員が増え、予備選でサンダース氏に投票するのではなかろうか。

 それに、サンダース氏と、トランプ氏もしくはクルーズ氏が各党の候補になれば、3人目の立候補者が現れる可能性もある。その可能性のほうが高いかもしれない。もしかすると大富豪のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が出馬するかもしれない。もしくは共和党のもっと本流をいく誰かかもしれない。3人以上の候補者による本選のほうが、サンダース氏の勝算が上がる可能性さえある。加えて、仮に共和党が二分されれば、共和党が多数を占める下院の政治チェック機能が危機にひんすることもあり得る。

 これを予言しているわけではないが、米国の政治的な慣例を打ち壊している今回の選挙戦では、極端に意外な結果に至る可能性も考えられないわけではない。

(貼り付け終わり)