草花探訪

季節の草花苗づくり

さまざまなこと 思い出す

2018年04月03日 | 花の写真

定年退職してから22年目の春を迎えました。今年も桜が咲く3月29日に、鴨川にかかる

荒神口橋に立って桜咲く風景を見て、過ぎた1年間の無事を喜び、来年も再び満開の桜を

この橋の上から見られるようにとの思いを新たにしたところです。

松尾芭蕉が桜を詠んだ句に 「さまざまの こと思い出す 桜かな」 があります。

年度末から新年度へ移る節目のこの時期に桜はぱっと咲きあっという間に散ります。

30数年間中学校教員をしていた私、とりわけ晩年の10年間は管理職として、新年度・

新学期を喜び満ちてスタートできるようにと、全エネルギーを注いだ思い出がありますが、

不思議に桜がきれいに咲いていたという思い出はないのです。

 

56歳の早春2月、私は腹部上行結腸あたりに大きな「腫瘍」が見つかり、府立大学附属病院へ

緊急入院しました。「腫瘍=癌=死」という観念がまだ支配していた頃です。自分の人生も

56歳で終わるのかと、いったんは死を覚悟し、腹をくくり、手術に挑みました。

幸い腫瘍は切除でき、周辺にはがん細胞の転移も見られないとの説明を受けました。

傷口もふさがり抜糸もすみ、元気さも回復し始めたと実感したとき、4月から血液内科病棟に

転室して「化学療法」を始めることを宣告されました。

治るとぬか喜びしていたやさきでしたから落胆も大きく、目の前が真っ暗でした。

そのような時、気分転換に短時間の外出が認められ、病院の近くの荒神口橋の上から、

焦点の定まらない視線で見つめていた風景が前出の写真の風景です。

約5か月間、苦しい治療が続いた末、幸いにも退院できました。以後2回再発したと再入院も

しましたが、今、年齢相応の元気さで生きています。感謝の気持ちを込めて、毎年橋の上から

の景色を眺めて、生きている喜びをかみしめています。

 

ブログの後半は桜の写真です。先週は「枝垂れ桜」でしたので今週もその続き、「紅枝垂れ桜」

です。この花もエドヒガン桜の一変種ですが、主流は八重紅枝垂れ桜で、花弁も15~20枚と

多く、開花が進むにつれて花弁の色が濃紅紫色から淡紅紫へと変化して楽しませてくれます。

紅色が最も濃いのが5分~7分咲きの頃ですのでその頃を狙って写すのがお勧めだとか。

我が家からぶらっと自転車を走らせ30分以内で見られる桜の写真を写してきました。。

まずは西方、廣澤の池あたり、佐野藤右衛門さんの庭と平安郷の桜。

    

宇多野を越えて竜安寺へ。ここは残念ながら紅枝垂れは主流ではありませんでした。

    

    

白梅町の手前の洛星学園には芝桜と石庭に植えられている数本の桜が見事でした。

平野神社には神楽殿横の桜、大鳥居横、桜苑の中にも数本の桜が。

二条城へは女房と一緒に行きましたので。

    

最後は植物園横の半木の道の桜。