手紙の初めに時候の挨拶を入れるのは日本独特の習慣だそうです。四季の移り変わりを
美しく言い表す言葉を盛り込んで情趣ある手紙文にしてきましたが、今はメールで話しかけ口調。
月が替わって今日から五月、さしずめ「風薫る候」「新緑まぶしい季節」などと書き始め、
季節の花の写真を紹介する予定でした。用意する花は”藤の花”、ところが俳句の季語では
この花は晩春を表す、行く春の名残をとどめる花と知り、戸惑っています。
晩春から初夏に咲く花として身近なに接するこの藤の花、房状の藤紫色の花を咲かせ、
一輪一輪は蝶のような形の小さな花が房となり、柔らかくかおる芳香があります。
北海道を除く日本各地でみられる日本原産のつる性落葉高木です。その優美な花姿から
万葉集にも多く歌われ、源氏物語の登場人物の名前にも、また藤原氏の家紋にも使われる
等、日本文化とかかわりの深い花としても有名です。
私の散歩道だもよく見かけます。まず平野神社の西側にある児童公園の藤棚、いつも歩く
途中にすれ違う女性3人が小休止されていましたので写しましたしゃしんです。
ここから5分ほど西へ進むと立命館大の衣笠学舎、そこにも藤棚がありますが
構内の北側にある山藤が印象深くきれいです。
大学の敷地を後にして「きぬかけの路」を西へ約10分すすむと竜安寺に到着です。
有名な鏡容池のほとりに高く立ち上がる山藤の木、滝のように垂れ下がる藤の花房、
時のたつのを忘れて見入って写した2枚の写真、私のお気に入りです。
池の西側には白色と藤紫色の藤棚が並んでいて、そこのベンチで一休みしながら花や
景色を鑑賞される方が多いです。
竜安寺を後に帰路につくのですが、その途中洛星中高等学校のグラウンドのfフェンス
いっぱいに立ち上る山藤も一見の価値があります。
以上、散歩途中で出会う花についてですが、ついでに、若干の豆知識を付け加えておきます。
まず花言葉ですが、「純粋」「あなたを愛します」「歓迎」「決して離れない」など。
名前の由来は、風に波のように揺れる花房が「吹き散る」というところから。
さらに蛇足になりますが、今は大改修中で拝観できない京都の藤の名所「宇治の平等院」の
樹齢250年の藤の花の写真(三年前撮影)を添えておきます。