竹と遊ぼう。伊藤千章の日記、

小平市と掛川市の山村を往復して暮らし、マラソン、草花の写真、竹細工、クラフトテープのかご、紙塑人形の写真があります

バリ島旅日記 その3 ウブド 楽園の散歩道

2012-07-05 22:15:21 | 旅行
私がウブドを選んだ理由は、伝統文化が色濃く残っていること、
伝統芸能が盛んなためです。海岸のリゾートには全く関心が無いのでね。
 
出発直前に「バリ島ウブド 楽園の散歩道」という本が地球の歩き方シリーズにあることを知って、早速アマゾンに注文し、出発前日に届きました。
 
あの宿に6泊するので、踊りを6回見て、本に載っている散歩5コースをみんな歩くことが出来ます。でも1日はブサキ寺院に行きたいので、4コースになるはずです。
 
宿は6泊で2万円ほど、朝食つき。
朝食はアメリカンブレックファースト、コンチネンタルブレックファースト、インドネシア式に分かれ、私は勿論インドネシア式。それも お粥、焼き餅、焼き飯、焼きそばに分かれています。これを毎朝違えて注文します。
 
今朝はまずお粥、それにコーヒーとフルーツ、昨日日本人男性が坐っていたテーブルで食べます。
 
部屋に戻ってテラスで日記を書着ます。こんなにきれいなところでのんびり過ごす生活は初めて。テラスのすぐ前に石灯籠の形をした小さな祠(ほこら)があります。そこに中年の女性が供え物を持ってきて拝んでいます。聞くと毎朝やっているとのこと。

 
そばの地面にも地に住む悪霊に対しても供えています。朝は道路のあちこちに供え物が置いてあります。代表的な観光地だけれど、観光客向けではなくてバリ島の人々は本当に信心深いようです。

 
ウブド中心に向かう交差点の神像。

10時過ぎ宿を出て街へ。10分も歩けば王宮のある交差点に出ます。街は車やオートバイでひしめいています。王宮の向かいにパサール・ウブド(ウブド市場)があります。イカットやバティックなどの衣料、木彫、籠類の工芸品など、主として観光客向けの店がいっぱい並んでいます。野菜や果物の店もあります。その内ここで買い物をするつもりです。


 

 
本に載っていた、ウブド王宮からジャランカジェンの田園地帯に行く散歩コースに入ります。


初めは車の通る道だったのが、田圃が見えるあたりからオートバイだけが通れる道、そして人だけが通れる道になります。川沿いに人一人がやっと通れる道もあって、ちょっとスリリング。田圃にはあひるが遊んでいてとっても気持ちのいい道です。

 

見知らぬ花や蝶もいます。

川を渡って少し細い道を行くと、本に載っていたカフェがありました。そこでナシ・チャンプルー(ご飯といろいろなおかずのチャンポン、チャンプルーもチャンポンもいろいろ混ぜたものという意味です)を食べました。ここもテラス形式で風が通って気持ちよく、1時間ほどのんびりしました。
 
ウブドの街に戻ってから、プリルキサン美術館に入りました。ウブドは芸術活動が盛んで、いたるところに絵画のギャラリーがあります。20世紀の前半、ヨーロッパ人の画家達が住み着いて、バリの伝統絵画に大きな影響を与えました。バリダンスにもヨーロッパ人の演出の影響があるようです。
 
バリは伝統が生きているところです。生きているというのは新しいものの影響を受けて、今も変りつつあるということです。ケチャダンスが今の形になったのも20世紀になってからのこと、音楽も変っていきます。
 
美術館で古い絵画や新しい絵画を見て外に出ようとすると、入り口の脇で男が竹の筒で出来た木琴のようなものを演奏し始めました。のんびりして実にいいのです。近くの石に腰かけてしばらく聞きほれていました。ちょっと眠くなります。


 
美術館見学者は園内のカフェでお茶のサービスを受けられます。そこでオンデオンデというデザートを注文しました。ゴマダンゴとアイスクリームのセット、甘いものっておいしいね。
 

5時ごろ街のレストランに入って夕食。テラスの奥に広い池があり、その奥に舞台のようなものがあります。後で知ったのですが、ウォーターパレスというところでここでも毎晩バリダンスが演じられます。外から見ては分からない魅力的な店です。

レストランで使われていた鉄線編みのお盆。

 
ウォーターパレス

ウブドは基本的に欧米人のために作られた保養地です。バリの伝統を生かしてそれを楽しめるように作られており、いわゆる観光地の安っぽさが無いのです。
 
今日歩いた道にもFootpass(歩くための道)の標識がありました。私の持っている本も欧米の本の焼き直しみたいな気がします。
 
観光客も欧米系6割、中国系2割、日本人は1割いるかどうかです。
もっとも私は観光ルートを歩いてはいないので、全体の比率は分かりません。
 
今日見る予定の王宮でのダンスは7時半からなのでたっぷり時間があります。
市場でアタ細工のバッグを一つ買いました。値切って1500円ほど、何を買おうとしてもひどい値段を吹っかけてくるので、値切らなければなりません。いくらなら買うかと聞かれて答えるようだと、結局は買うことになります。うんと低い値段を言ってお互い値段を近づけて行きます。これって慣れてくると結構面白いですね。でも何でもかんでもそうだと疲れます。
 



王宮の中の王族の住む一角には入れません。


王宮に戻って1時間ほど開演を待ちます。席が並べられると最前列まん中に坐ります。すると英語で今何時ですか?ときかれました。30台?の女性です。時間を言って隣の席に誘うと来てくれました。彼女は韓国人、ウブドに4日間滞在するとか。

 

すると欧米人の青年が彼女の一つ隣に坐りました。どこから?と聞くとフランスからといいます。彼は日本語を結構しゃべれます。どこで習いました?と聞くと本で習った、でも日本には6回も行っている、日本文化が大好きだということでした。そこへ韓国女性とフランス青年の間の席に、坐っていいですか?と東洋人の女性が聞いてきました。
 
韓国女性がこれで韓国、日本、フランスと4カ国の人が集まりましたねと言うと、私は日本人ですといって、フランス人とどんどん話し始めました。私達は無視された感じで、もっぱら韓国女性と話しました。
 
彼女は学校の先生で韓国語と韓国文学を教えているそうです。
バリ島の人々は信仰心が厚いという話になって、韓国ではキリスト教徒が多いでしょう?と聞くと、イエス、でも自分は仏教徒だと言います。私も一応仏教徒なのだが、今のお寺を中心とする仏教は大嫌いで、死ぬときは仏教式にはしないと言う。彼女は全く信仰心を持たないと人と人との繋がりはどうなるの?というようなことを言う。私は自然を信じる。自然のなかに生まれ自然のなかに死ぬ、それで満足だと答える。彼女も自然が好きで、韓国でもよくハイキングをすると言い、、ここでも田園地帯を歩きたいと言います。
 

私は毎日田園地帯を歩くことにしています。歩く本を持っているのでいっしょに歩きませんか?と言うと、明日はブサキ寺院に行くツアーに参加するから駄目、明後日ならいいと言います。明後日私はブサキ寺院に行くつもりだったが、先に延ばしてもいいので明後日一緒に歩くことにして、王宮の前で10時に会う約束をしました。たどたどしい会話が続くはずですが、若い女性(30代独身?)と行動を共にするのは楽しみです。本当に来るかどうか分からないけどそのスリルが面白いですね。

 

今夜の踊りは大規模なガムラン音楽と何組かの踊り手たちのダンス、最後に長編のラーマーヤナのダイジェスト版がありました。



女性たちの動きはとてもきれいで、目の動きもとっても素敵です。毎晩いろいろな踊りを見るのはいいですね。上演時間は1時間半ほど、入場料は6百円ほどです。帰りは歩いて帰ります。狭いところであちこち歩き回っているのですっかり慣れました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿