竹と遊ぼう。伊藤千章の日記、

小平市と掛川市の山村を往復して暮らし、マラソン、草花の写真、竹細工、クラフトテープのかご、紙塑人形の写真があります

開発のかげで。

2009-09-17 04:30:58 | 歴史と人類学
 
川田順三がナンビクワラ族に会った4年後、
この地域は世界銀行の資金援助により開発が進められた。
舗装道路が作られ南部の貧困層が入植した。
 
ナンビクワラ族のある村はブルドーザーによって蹂躙されてしまった。
 
開発するために森林が伐採され、除草剤が散布された。
しかし土地は現代農業を進めるには不毛だったため、まもなく放置された。
計画は失敗に終わったようである。
後に残されたのは、生活基盤を奪われて、無理やり同化させられた人々と、
枯葉剤の影響である。
 
インデイアンの精神世界について、北米のヤヒ族の最後の生き残り「イシ」の伝記が豊かに語っている。これはイシに出会って彼について研究した高名な人類学者のアルフレッド・L・クローバーの奥さんが二人の死後書いた本で、感動的なものである。ちなみにクローバー夫妻の娘が「ゲド」戦記の著者アーシュラ・K・ルグインである。
 
 
精緻な網代編みの籠を編むデサナ族について、それを研究したドルマトフが「デサナ」-アマゾンの性と宗教のシンボリズムーという本を書いており、これは翻訳がある。その本が昨日私の手元に届いた。
 
デサナ族出身で、都市的な教養を身に付けた一人の男と、人類学者ドルマトフが大学の研究室で七ヶ月にわたり延べ300時間インタビューし、それを著者がまとめ、二人でチェックしあって出来上がった本だという。
 
網代編みの本と、デサナ族の精神世界を伝える本を読むこと、それからデサナ族の籠の網代編みの模様を編むこと、これが当分続く私の旅になりそうだ。
 

竹?を割くデサナ族


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