竹と遊ぼう。伊藤千章の日記、

小平市と掛川市の山村を往復して暮らし、マラソン、草花の写真、竹細工、クラフトテープのかご、紙塑人形の写真があります

バリ島旅日記 その6 ウブドのお葬式

2012-07-08 17:28:04 | 旅行
6月28日(木) 今日は観光案内所で聞いた祭りのある日。一昨日宿の近くのプーラ・ダーラム(昨夜の場所とは別)に行ったとき、人が集まって何か祭りの準備のようなことをしていたので、観光案内所で聞いたら、この日の12時に始まると教えてくれたのでした。
 
街に出ている乞食について宿の青年に聞いても話が通じません。そういうカースト?これからは小銭を持ったらあげるつもりです。
 
街に出るとすぐそんな女性に出会いました。裸足の2、3歳の子供を連れています。すぐ小銭を渡すと、子供はニコニコしてとても可愛い。
 
今日の12時から祭礼があるというプーラ・ダーラムに行くと、回りにいたおばさん達が寄ってきて、祭りを見るのに必要な腰に巻く布サルーンを売りつけようとします。値段を聞くと100000と言うので半分に値切りました。すると腰紐や頭に巻く鉢巻も売りつけようとします。結局700円ほど使いました。何に使うのか馬や牛の屋台のようなものがいくつも置かれています。



 

まだ時間があるので街に出ました。早めの昼食は豚の丸焼きで有名なイブオカというワルン(地元の人のための食堂)で摂りました。ナシ・チャンプルーを注文し、食べたら豚肉が軟らかくておいしかった。
 
市場に行って地味な竹籠を二つ買いました。一つは底が四角で上は開いて丸くなり。丸い蓋がついた典型的な東南アジアの竹籠、もう一つは四方網代編みの蓋つきの小型の無彩色のかご。これのもっと大きくて彩色してある籠を女性たちが頭に載せて供え物を運ぶのに使っています。
 


11時半にプーラ・ダラムに戻りました。これはお葬式だということが分かってきました。お供え物を頭に載せた女性たちが集まってきています。


その内群集が動き出しました。初めに大きな飾り物がいっぱいついた御輿を担いだ男達が、広場の左側の草むらに据えます。これはもう一台が続きます。


それから大きな怪物の御輿と牛の御輿が続いて据えられます。


動物の背中が開かれ、その中に死者の体を入れた発泡スチロールの箱や供え物が入れられます


人々が香を供えた後、牛と怪物の御輿に火が付けられます。死者の写真が飾られた二台の御輿にも火が付けられます。


 
それぞれが燃え尽きると葬式が終わります。すると次の飾り御輿と動物御輿が運び込まれます。今日はお葬式が集中して行われる日なんですね。
 
外国の観光客もサルンや帯を巻いたり鉢巻をして写真を撮りまくっています。
死者の一族の中に可愛い女の子がいたので写真を撮らせてもらいました。


プロのカメラマンのような欧米人もいて、彼女達の写真を撮っては彼女達に見せています。地元の人たちに融け込むうまいやり方です。

 
後ろから日本人ですか?と声をかけられました。
中年のバリ島の男がにこやかに話しかけてきます。
私の鉢巻の仕方がおかしいと言って直してくれました。

 
彼は日本語を勉強中、歳は45歳、自分はかって小さい店を日本語を覚えた、今は農業をやっているとか。二人で日陰の石に腰かけて話し込みました。今回のような正式な葬式は50万円、略式だと10万円はかかる、これはインドネシアでは大変な金額です。親類縁者、近所の共同体も加わりそれぞれにお金がかかれいます。そんな中で助け合いの精神が保たれているのでしょう。
 
日本でもかって田舎ではお葬式は葬儀屋が入らず、共同体葬でした。今から40年近く前の石見銀山でのことです。近所の人たちはまるまる2日仕事を休んで葬儀を執り行いました。
 
彼の家の裏にも10万ルピアぐらいの宿があるので、今度来るときは電話してください、と言って名刺もくれました。親切で優しい人です。今度来るときは電話する、と言って握手して別れました。
 
寺院の入り口には今朝私を取り囲んだおばさん達がいて、笑いかけて手を振ってくれました。
 
さてこれからどこへ行くか、本にはモンキーフォレストを抜けて田園地帯を通り、またウブドに戻る道が書いてあります。その道を行くことにしました。レストランや工芸品の店が並ぶ通りを抜けてモンキーフォレストの入り口へ。ここは森の中に猿達が住んで自由に歩いたり木に登ったりしています。

 
入り口で手荷物に気をつけて下さい、猿がひったくることがあると注意されました。しばらく猿達を眺め、反対側の南の門から出ようとしたら、二人の少女に声をかけられました。自分達は日本語を勉強しており、勉強の一環として日本人の旅行者にインタビューすることになっているので、答えてくれますか?と言うのです。勿論OK、石垣に腰かけて話を聞きます。するといつ来たか、どこのホテルにいるか、趣味は何か、とか初歩的な質問をします。
 
突然一人の少女がキャッと声を上げました。猿が何かをひったくっていったのです。それはボールの飾りが付いたオートバイの鍵でした。猿は近くでそれをかじっています。
逃げようとしませんが取ろうとすれば逃げるでしょう。少女は泣きそうになっています。
 
周りの人たちが気付いて門の警備員に連絡し、少しはなれていった猿から取り返してくれました。少女達から少し離れて若い男が立っていましたが、それが先生なのでしょう。バリの人々は勉強熱心ですね。

 
公園を出て少し歩くと田園地帯を通る道に入ります。畦道に入ると地元の人しかいなくて、時々笑顔で挨拶を交わします。スラマト・シアンとか言う必要も無くて、手を上げてヤーでいいのです。ここでは若い人ほど愛想が良くて、年寄りほど難しい顔をしています。日本では若い人ほど愛想が悪いんじゃないかな。

 

昨日ジェゴグを聞いた寺の近くに出てそのまま街に入ります。途中のレストランで夕食、牛肉にカボチャのソースがかかっている、美味しい料理です。また1時間前に王宮に着いて見るとまだガラガラ、椅子が並べられると例のごとく前列中央に坐りました。日本人ツアー客が10人ほど来て、最前列に並びます。私の隣はツアーじゃない日本人の男女、旅行会社の手配旅行で空港の近くに泊まっているようです。車で1時間だから問題ないわけです。
 


今日の演目はレゴンダンスその他、鉦を叩きながら踊るトロンポンダンスもあります。これは女装した男性が色気たっぷりに踊るもの、です。とってもきれいでした。