第3部 エスペラントとエスペランテート
(5)人称代名詞
人称代名詞はmi(わたし)/ni(わたしたち)、 vi(あなた/あなたたち) 、li(かれ)・ŝi(彼女)・ĝi(それ) /ili (かれら/それら)、si(~自身;性・数共通)、oni(ひとびと)である。
所有代名詞は、形容詞語尾-aを付することでつくられる。語形変化は、名詞のばあいと同様である。
⇒人称代名詞単数形はmo(わたし)、bo (あなた)、jo(かれ・彼女・それ)の三種のみで、複数形は単数形に複数形語尾‐yを付し、moy(わたしたち)、boy(あなたたち)、joy(かれら・彼女ら・それら)とすることでつくられる。
所有代名詞は、格による語形変化をしない。
(6)動詞
動詞は人称および数については不変である。
動詞の活用形として、現在時制では語尾 -as、過去時制では語尾 -is、未来時制では語尾 -os を、条件法では語尾 -us、命令法では語尾 -u、不定法では語尾 -i をとる。
分詞は、能動現在分詞 -ant、能動過去分詞 -int、能動未来分詞 -ont、受動現在分詞 -at、受動過去分詞 -it、受動未来分詞 -otである。
受動態は、いずれも助動詞estiの対応する語形と対象となる本動詞の受動分詞のくみあわせによって表現される。受動態の前置詞(~によって)にはdeをもちいる。
⇒動詞は人称および数のみならず、時制についても不変であり、原形と活用形の区別はない。ただし、ときをあらわす副詞または副詞句をそえない文では、動詞の定形に過去接尾辞-is、未来接尾辞-osを付して時制を表現することができる。ときをあらわす副詞または副詞句をそえずに動詞定形を単独でもちいるばあいは、現在の時制をしめす。
条件法や命令法による活用変化もない。
分詞は、能動分詞継続形-ante、同完了形-inte、同未然形-onte、受動分詞継続形-ata、同完了形-ita、同未然形-otaである。分詞の実質的な用法はエスペラントと同様であるが、名称がことなる。
受動態の助動詞に転用されるestiが時制変化しないことは、一般動詞のばあいと同様である。
(7)副詞
副詞はeでおわる。比較級および最上級は、形容詞と同様である。
⇒比較級および最上級でもちいられるbrin、brey、zanなど単語の相違は形容詞のばあいに準ずる。
(8)前置詞
前置詞はいずれも主格を要求する。
⇒そもそも名詞は格変化しないため、法則としての意味はない。