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世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版](連載第38回)

2024-07-04 | 世界共同体通覧―未来世界地図―[補訂版]

五 汎ヨーロッパ‐シベリア域圏

(8)イベリア合同

(ア)成立経緯
主権国家スペインから独自性の強いカタルーニャ、バスク、ガリシアが分立し、残余はイスパニアとして再編されたうえ、英領から編入されるジブラルタル及びポルトガルが合同して成立する合同領域圏。カタルーニャは象徴的ながらフランス大統領及びカタルーニャのウルヘル司教が共同大公を務める隣接の主権国家アンドラと統合される。一方、北アフリカのスペイン領自治都市セウタとメリリャは汎アフリカ‐南大西洋域圏のモロッコに編入される。合同には現ポルトガル領アソーレス、マデイラと現スペイン領カナリアの大西洋諸島直轄自治域も含む。

(イ)構成領域圏
合同を構成する領域圏は、次の6圏である。

○カタランドラ
スペインのカタルーニャ州と隣接するカタルーニャ系小国アンドラが合併して成立する。アンドラの共同大公制は廃止される。アンドラは準領域圏として高度の自治権を保持するため、複合領域圏。カタルーニャ州飛地のリヴィアは飛び地禁止原則によりフランスに編入される。

○イスパニア
スペインからカタルーニャ、バスク、ガリシアを除いた領域で再編される統合領域圏。スペイン王室(ボルボン家)は称号のみの存在となる。

ジブラルタル
英領植民地から自立して成立する都市領域圏

ポルトガル
主権国家ポルトガルを継承する統合領域圏

○ガリシア
スペインのガリシア州が分立して成立する統合領域圏

○バスク
スペインのバスク州が分立して成立する統合領域圏

(ウ)社会経済状況
旧スペイン時代の経済基盤を維持するカタランドラとイスパニアを軸とする共通経済計画が施行される。資本主義時代は遅れがちであったポルトガルも合同に参加することで、共産主義的発展を享受する。

(エ)政治制度
合同領域圏は、各領域圏及び大西洋諸島直轄自治域の各民衆会議及びから選出された同数の協議員から成る政策協議会を常設し、圏内重要課題を討議し、共通政策を協調して遂行する。政策協議会はジブラルタルに置かれる。

(オ)特記
旧版ではジブラルタルをイスパニアに編入していたが、長年の英領化により英語圏に含まれているため、単立の都市領域圏とした。

☆別の可能性
スペインが解体されず、現行のまま連合領域圏となる可能性もある。その場合、アンドラが単独の準領域圏として、またはカタルーニャと統合されて連合に参加する可能性、あるいは世界共同体直轄自治圏を選択して合同に参加しない可能性もある。また、ジブラルタルが世界共同体直轄自治圏を選択して合同に参加しない可能性もなくはない。

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