第3部 エスペラントとエスペランテート
(9)発音
すべての単語は、かかれたとおりによまれる。
⇒基本的に同様である。
(10)アクセント
アクセントは、つねに最後から二番目の音節(最後から二番目の母音箇所)にある。
⇒基本的に同様であるが、二重母音は一個の母音とみなされる。
(11)合成語
単純に単語をくみあわせることでつくられる(主たる単語は後置される)。その際、文法上の語尾は独立の語とみなされる。たとえば、蒸気船:vaporsipoは蒸気:vapor+船:sipoで合成されるが、全体で一語である。
⇒基本的に同様である。ただし、上記単語では、つづりはbwaporsipoに変形される(エスペラント語のvはbwに置換されるため)。
(12)否定詞の用法
否定詞neは、他の否定語の前後では脱落する(二重否定文の禁止)。
⇒二重否定文も文章体の修辞上みとめられるが、口語体では使用が推奨されない。
(13)方向をあらわす語
方向をあらわす語は、対格をとる。たとえば、Kien vi iras ?(あなたはどこへいくのですか)のこたえとして、Domon.(うち〔へ〕です)のように。
⇒名詞も疑問詞も格変化しないので、このような法則も存在しない。上例なら、Kie bo iri ?に対して、方向をしめす前置詞arをもちいてAr domo.と応答すればよい。
(14)前置詞の用法
前置詞はいずれもさだめられた一定の意味をもつが、なんらかの前置詞が必要で、しかもどの前置詞もその意味をあらわすのに適当でないばあいには、特定の意味をもたない前置詞jeがもちいられる。前置詞jeをもちいるかわりに前置詞をともなわない対格をもちいることもできる。
⇒基本的に同様だが、jeのつづりは、yeに置換される(発音は同様)。ただし、名詞は格変化しないので、前置詞yeを対格でおきかえることはできない。
(15)外来語のつづり
外来語の大部分は、エスペラント語においてもその正書法にしたがう以外は変形することなくもちいられる。ただし、一個の語根からいくつかの単語がつくられるばあいは、基本語のみが変形せずにもちいられ、それ以外はエスペラント語の規則にしたがってそこから派生される。たとえば、日本語の地名・名古屋は、名詞としてもちいられるばあい、名詞語尾-oを付加され、Nagojoと変形される。
⇒外来語はその語をもつ言語のアルファベット正書法にしたがい、エスペランテート特有の派生もしない。したがって、名古屋はNAGOYAと表記される(このばあい、固有名詞であるから、全大文字表記)。ただし、アルファベット正書法がない言語のばあいは、エスペランテート固有の新語を造語する。
(16)省略形
名詞および冠詞の最後の母音を脱落させ、アポストロフィーで代用することができる。
⇒このような代用的省略形は存在しない。