MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.073 「傷だらけの男たち」 (2006年 香港 111分 シネスコ)

2007-07-30 00:21:04 | 2007年劇場鑑賞
監督 アンドリュー・ラウ 、アラン・マック
出演 トニー・レオン
    金城武
    スー・チー



香港映画史に残る・・・というよりリメイク版の「ディパーテッド」がオスカーを取ったことにより世界的な映画史に残る傑作といっていい「インファナル・アフェア」のコンビ、アンドリュー・ラウ&アラン・マックとトニー・レオンが再び手を組んだ作品。

どうしてもこの監督にこの役者となると「インファナル・アフェア」のイメージも持ってしまいますね。
全然違う話だし、作品のタッチも違うけどついつい期待してしまいますね。
正直「インファナル・アフェア」のようなシビレルような感動を薄いけど過去に傷を持つ2人の男のドラマはまた一味違った感動をもたらしてくれます。

(あらすじ)

2003年のクリスマス、ポン(金城武)が凶悪犯を逮捕した晩に、彼の恋人は自殺を図り還らぬ人となる。
3年後、酒浸りの日々を送っていたポンは、刑事を辞めて私立探偵になっていた。
彼の元上司のヘイ(トニー・レオン)は富豪の一人娘スクツァン(シュー・ジンレイ)と結婚し、幸福な生活を送っていたが、ある日、義父が何者かに惨殺され……。

一つの殺人事件から浮かび上がってくる過去の悲しいドラマ・・・犯人は早々に判るしくみの脚本で、後は何故その犯行に及んだのか?そしてその向こうにどんな真実があるのかか?
そんな過去のドラマが序々に明らかになっていく展開で、「インファナル・アフェア」
に比べると地味で淡々とした感じで、その分重い雰囲気の作品となっています。
過去に深い傷を持つ2人の男、トニー・レオンと金城武が作品全体に放つ悲しみに満ちた冷たい雰囲気は一歩間違えば心気くさい作風になるのを緩和させて救っているのがスー・チーの存在。
この人はどんな映画でもどこか抜けたキャラで汚れ役が多いんですが、今回の作品では
彼女のアッケらかんとしたキャラがこの作品の重いムードを見事に緩和しています。
彼女の存在はこの作品ではある意味重要だと思いましたね。(ま、劇中でも意外にも結構な働きをします)

事件の真相を追っていくうち悲しい過去の出来事が浮かび上がり、やがてその真実を知った時、また一つの悲劇が生まれていく・・・そんな余韻が残るエンディングに流れる浜崎あゆみのテーマ曲が何とも微妙な香港映画の佳作。



★★★ 2007.7.26(木) 布施ラインシネマ10 南館 シネマ9 19:30 G-3