MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.11 「パラサイト 半地下の家族」

2020-02-22 10:07:01 | 2020年劇場鑑賞







まもなく閉館の布施ラインシネマに再び登場
チケット売り場に行くとやけに賑わっています
前回来た「バッドボーイズ アフターライフ」来たときと大違い
その賑わいの原因がこの作品
アカデミー賞効果で映画ファン以外の人達の興味を惹いたようです
あれだけマスコミで取り上げられると当然かも知れません
3階のシネマ2での上映ですが、何とほぼ満席!
前から3列目の端での鑑賞です

で、やっと見れたこの作品
公開当初から気になってたんですが、大まかなプロット以外は敢えて知らずに
予備知識無しで見にきました
もっと笑える要素があるのかな?と思ったけどブラックコメディのブラックの方が強く感じた
韓国映画は華やかなイケメンが出るアクションやラブストーリーがイメージされるが
こういう薄汚れた感じの町が出てくる作品も時々あります
この辺は日本映画ではない部分ですね
お国の情勢や事情の違いですかね

半地下に住む貧困層の一家が高台の超富裕層一家に家庭教師や家政婦、運転手として入り込み
段々と寄生していく...このタイトルにもなってる寄生していくと言うのがサスペンスですね
私はてっきりこの貧困一家が富裕一家を乗っ取っていくような話かと思ってたら、それ以上に
壮絶な展開になっていくんですね
それも最悪の...

その結果の根本にあるのは韓国の格差社会の事情がある分けですが、この映画はその部分を強烈に見せてくれます
詐欺まがいに入り込んだ半地下一家が富裕一家不在時にリビングでくつろいで飲み食いするところの
散らかし具合...リビングの高級感とそこで飲み食いしてる人間とのギャップの差
危機一発脱出して高級住宅から半地下の家に戻る途中滝のような雨が坂道を川のようにしてしまい、半地下の家が浸水してたり
そして何より臭い...これはなんか切ない格差を表すアイテムになってましたね
富裕層の旦那様が運転手のソン・ガンホを人間的に認めても、その臭いだけはガマンならんと言う...ここも見事に格差の対比を見せてくれ
この臭いが最後までキーとなっていくんですね
それは半地下どころか地下に居てる人間も当然同じ臭いで...悲喜劇が悲劇への引き金になっていく
貧困層の人間たちがどれだけ優秀な才能があって身なりをキッチリしても
その生活感の臭いは隠せない...そんな悲しい格差の現実をエンタメ感おりまぜて見せてくれたこの監督は凄いですね
脚本賞と監督賞の受賞はうなずけます

ラストであの高級住宅を遠くから眺める心情がまた切ない...

アカデミー賞がこの作品に作品賞をもたらしたのは格差社会がアメリカの抱える人種問題とリンクさせた
結果もあるのかな?と勝っ手に想像しますが(だからトランプ大統領は気に入らない?)、
英語圏以外でも力のある作品が受賞するようになったのはいい事ですね



★★★★ 2020.2.21(金)布施ラインシネマ シネマ2 20:20 C-3