MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.10 「スリー・ビルボード」

2018-03-04 00:21:08 | 2018年劇場鑑賞



やっと見れた注目作
アポロシネマ プラスワンと言う30席くらいの小さいスクリーンだけにほぼ満員で久々の最前列での鑑賞

娘をレイプされて殺された母親が一向に捜査が進まない状況から警察署長を批判する広告を巨大看板を三枚道路に張り出し何かと物議を巻き起こす
そんなくらいの予備知識で見た作品だが、思ってた以上に深い余韻の残る映画でしたね
いかにもアメリカで起こりそうな話だが、被害者遺族の心情を思えば世界中どこも同じでしょう
ただ行動の仕方がどうかと言う違いがあるぐらいで、日本だったら街頭で署名活動したりするのかな?

しかしフランシス・マクドーナンド扮するヘイズが起こす行動は容赦ない徹底抗戦
例え標的の警察署長がガンで余命僅かな人物でも…鑑賞前はてっきりこの署長が悪い奴で…て思ってたら見てたらガンで余命僅かと言う設定でこれは思ってた展開と違う映画やなと思いましたねー良い意味で…
むしろ悪っぽい奴が部下の人種差別主義の警察官ディクソン
これをサム・ロックウェルが素晴らしい芝居で演じてました


で、チョイネタばれ気味なのでご注意↓


ウディ・ハレルソン演じる警察署長が自殺してからこの作品が大きく動いていく
彼が残した手紙 家族宛以外にヘイズ宛、そして人種差別主義のダメ警官のディクソンにも残すメッセージはこの署長は悪人とかでなく職務に忠実な姿が見て取れる
ヘイズとディクソンへの手紙が2人の行動に影響を与えていき、やがてある行動へと進んでいく

この後半登場人物たちの人としての心の変化が大きなメッセージを感じました
凝り固まっていた過激なまでの感情にどこで怒りの踏ん切りをつけるか?
人間の行動が凝り固まった感情を動かしていくのを感じました

レイブ殺人犯が逮捕されれば1番わかりやすく、めでたしめでたし何でしょうが、この映画はそう言う安易な落とし所にしないとこが良いですね
ラストに劇中唯一見せるヘイズの笑顔が彼女に取って赦しに向けての変化の表れを見て取れました

シリアスな重い映画ながら、途中ブラックコメディみたいな部分もあったりして、ちょっと変な映画に見えてしまったりしたけど、終わればジーンと染みる映画でした
フランシス・マクドーナンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェルこの3人が揃ってこそこの作品が生きてると思います
3人ともアカデミー賞にノミネートされてるのもうなづけますね


★★★★★ 2018.3.2(金) アポロシネマ スクリーンプラスワン 20:55 F-4