MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.026 「鳥」(1963年 120分 ビスタ)

2011-04-19 00:15:36 | 2011年劇場鑑賞
監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演 ロッド・テイラー
   ティッピー・ヘドレン
   スザンヌ・プレシェット



この日の二本目は第二回午前十時の映画祭です
それもヒッチコック監督作品・・・ヒッチコックの映画を劇場で見るなんて思いもよりませんでした
好きな監督さんの一人なんで前の週の「レベッカ」も見たかったけど残念ながら見に行く機会なく今回の「鳥」の鑑賞となりました

(あらすじ)

ある日、何の理由もなしに、鳥たちが人間を襲い始めた……。たった一つのシチュエーションをもとにあらゆる恐怖を引き出した、ヒッチコックのサスペンス・ドラマの傑作。一羽のカモメに額を傷つけられる予兆から、群れをなして襲い来るラストまで、恐怖映画のお手本のような演出が素晴らしい



小学生の頃テレビ洋画劇場で見て以後ビデオ黎明期にレンタルビデオで一度見ただけで、まさに10年20年間隔あけて鑑賞して今回3度目の鑑賞となりました
だが、細部はあまり覚えていませんでしたね~
私のイメージでは「レベッカ」はヒッチコック唯一のホラー映画でこの「鳥」はヒッチコック唯一のパニック映画・・・そんなイメージだったけどたしかに畳み掛ける後半はまさに動物パニック映画ですが、前半の登場人物たちの人間関係の描写に結構時間を取りその合間に鳥が不穏な動きを垣間見せる演出はさすがです

様々な思いをもつ登場人物たちが鳥の襲撃によりやがて理解しあえて行く部分は、一つの人間ドラマとして集約される
ヒッチコックのパニック映画と言う観点で見てたらその辺のドラマがとてもよく出来た映画だった
他のパニック映画でもそういうドラマもあるがヒッチコックがやると妙に格調高く見えるから不思議(笑)



またヒッチコック監督らしいカメラワークやカット割などが、見れば見るほどこの作品にも生かされてます
鳥にのこだわった演出も多く、全体的に音楽があまり使われず、鳥の鳴き声が音楽変わりのようにも思える。
またジャングルジムに最初は鳥が2羽くらしか居ないのに、カメラが切り替わるたびに鳥の数が増えて行く演出、空中から街を見下ろすカットに空中を飛ぶカモメがまるで空襲に来た爆撃機のように画面に現れるカット等はさすがヒッチコックらしい
また家に立てこもって鳥の襲撃に備える場面は後のゾンビ映画のパターンを彷彿させる
ドアや窓などを板を釘で打ちつけてふさいだりするけど、鳥の襲撃に破られる場面など「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」から始まるゾンビ映画立てこもりパターンに影響を与えたのかも?
単純なシチュエーションでここまでの恐怖を引きだす演出にますますヒッチコック映画の凄さ、素晴らしさを実感しました



★★★★ 2011.4.14(木) TOHOシネマズなんば スクリーン1 21:10 E-5