MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.011 「冷たい熱帯魚」 (2010年 146分 ビスタ)

2011-02-15 00:04:21 | 2011年劇場鑑賞
監督 園子温
出演 吹越満
   でんでん
   黒沢あすか
  

土曜日の昼下がりまたしても梅田に現れました
最近結構よく来てますね~
新梅田シティのシネリーブル梅田で上映されてる「冷たい熱帯魚」を見に来たんですが、タイトルがどうしても「悲しい熱帯魚」に見えてしまうのは私だけ?(笑)
衝撃の問題作って事で見に来ましたが、話題作だけあって開場を待つ多数の行列が出来てます
その大半は男性というホラー映画っぽい客層ですね~

(あらすじ)

帯魚店を営んでいる社本(吹越満)と妻の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。
ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。
だが、実は村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときはすでに遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。



あの埼玉愛犬家殺人事件からインスパイアされたサイコサスペンス映画
実際の事件と遺体の処理方法など色んな所で合致してるらしく生々しいですね(遺体を解体する事を透明にすると言う表現をするとこなど)
かなり刺激的な映画だが、一応は犬を熱帯魚に置き換えて実録犯罪映画風ながらオリジナリティを出している
よって見てる観客は実際の事件の様子を見てるようでありながら、これは劇映画であると言うセーフティーゾーンに逃げ込める

この映画を見てると誰しも平穏な日常とバイオレンスが微妙なバランスの中で生きてるような気がする。
おぞましい殺人に巻き込まれる吹越満演じる主人公などは冷めきった家庭の中、日々色んな事に我慢して平穏に生きている。
しかし娘の万引きと言う事件から彼の中の平穏は壊れ始め、我慢して努めていた平穏はやがてバイオレンスへと変貌していく。
まさに事件のあった現場のご近所の方々がよく言う あんな人がまさかあんな事を...て言うやつですね
モンスターが更なるモンスターを作り上げてしまう・・・人間だれしも恐ろしくなれる事が出来ると言う怖さをこの映画で感じます 

映画冒頭から高額熱帯魚を不当に売り付けようとする村田の口車にいいように丸め込まれて犯罪の片棒を担がされて行くまでの序盤を実に鮮やかな演出とテンポで見せてくれます 
つけ入る隙に付け入られてどんどん戦慄の深みにはまって行く・・・その過程はある意味この映画の中のどんな残酷シーンより恐ろしいと思いますね



そんな主人公の社本を吹越満が熱演しているんですが、終始オロオロして何かに追い詰められかのような仕草はこの人はピッタリですね。
後半の壊れっぷりも見事でした

登場人物のほとんどの人間がもとまな奴でないこの作品で、やはり際立つのが殺人鬼である村田を演じるでんでんの怪演!
正直役者としてのでんでんはほとんど見た事ないので(色んな映画に出てるようだが、ほとんど見てない)今回がまともに初めて役者として見た。
でんでんと言えば今までは「お笑いスター誕生」でのピン芸人のイメージしかない。
でもこんな潜在能力があったとは・・・今更ながら驚いています

この村田の役は他の役者ではあんな凄いモンスターを演じれなかったと思います
でんでんのあの一見普通のオッサンのような地味な風貌が生きてるとおもいますね~
役者、または名優としてのオーラが出てたらあの村田の怖さや異常性は感じれなかったと思います。
まさにでんでんだから出来た村田と言うキャラだと思います



女優さんも社本の妻を演じた神楽坂恵がグラビアなどでお馴染のGカップを惜しげもなく披露し、吹越満やでんでんに揉まれ倒します。
また村田の妻役の黒沢あすかのフェロモン出しまくりのビッチぶりは最高!
血まみれ臓物まみれになりながら風呂場で遺体をでんでんと一緒に解体する時のはしゃぎっぷりはもう異常以外何ものでも無い!

そのショッキングな解体シーンも現実の事件に沿ってるらしく、骨と肉を分けるとか肉片は最低でも唐揚げぐらいの大きさに切ると言った生々しい部分まで描かれる。
肉片の捨て方や骨の焼き方などリアルで、こう言う映画に慣れてない人はちょっとした覚悟が居るかもね



★★★★ 2011.2.12(土) シネリーブル梅田 シネマ1 13:05 整理番号56