MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.088 「ディア・ドクター」(2009年 127分 ビスタ)

2009-09-12 00:21:45 | 2009年劇場鑑賞
監督 西川美和
出演 笑福亭鶴瓶
   瑛太
   余貴美子



今日はなかなか機会がなく見逃していたディアドクターを見に布施ラインシネマ10へ
見逃していたおかげ?で何と特別料金1000円での鑑賞でなんか得した気分です
上映から結構たってるのでシアターに入ると客席は一人だけ・・・ 何かと評価の高い作品ですが期待も大きいです

(あらすじ)

村でただ一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪(しっそう)する。
村人たちに全幅の信頼を寄せられていた伊野だったが、彼の背景を知るものは誰一人としていなかった。
事件前、伊野は一人暮らしの未亡人、かづ子(八千草薫)を診療していた。
かづ子は次第に伊野に心を開き始めていたが、そんな折に例の失踪(しっそう)事件が起き……



農村のほのぼのとした風景と笑福亭鶴瓶のキャラクターがよく合ってると思います。
時折俯瞰から捉えた畑や水田の風景や風てなびく苗などの映像は美しい絵ですね
そんな無医村の僻地で医療活動する伊野医師が物語の主人公ですが、冒頭彼が失踪したらしいという場面からスタート。
何故彼は失踪したのか?過去の伊野医師の姿と、現在の失踪事件を追う刑事たちが伊野と関わった様々な人に聞き込みしていくシーンが交互に描かれる

途中から伊野がニセ医者であることがわかるのだが、ニセ医者でありながら村人たちからは神さまだとさえ言われるほど慕われるほど村では人望が厚い。
薬などだけが医療ではなく、人間とのつながりの温もりでも治癒出来るものがある・・・そんな事さえ感じさすほのぼのとした村人たちと伊野とのエピソードが前半描かれる。

東京から研修医としてやってきた相馬医師とのコントラストがなかなか面白いのだが、そんな相馬医師ですら伊野を慕うようになっていく・・・まぁ人柄さえ良ければ医者のまねごとぐらい出来ると言う訳ではないんだろうけど、しかしそんなオーラが彼にはあるんでしょうね~そんな伊野医師を笑福亭鶴瓶が自然体で演じてます。



後半、八千草薫扮する老女とのエピソードからこのドラマは少しづつ動き出す。
後半は八千草薫への対する行動が、単に患者としてでなく何かある種の愛情のようなものを私は感じましたが、彼の心理描写は見る人それぞれにいろいろと解釈があるかもね

救急患者が運ばれ、外科的な救命処置を取れないシーンでの彼の狼狽ぶりはすでに農村の年寄りは騙せ続けれてもニセものであり続けることの限界を感じせます。
そんな彼の心のよりどころが八千草薫の存在ではないでしょうか?
しかしそんなよりどころも老女の娘で、よりによって医者である井川遥の登場でもろくも無くなってしまう・・・伊野の心理描写がいろいろと考えさせられて面白いですね。
でもラストのカットはこれもいろいろ解釈ありそうだけど・・・やはり彼はディア・ドクターだったのかな?



☆☆☆ 2009.9.10(木) 布施ラインシネマ10 南館 シネマ8 16:15 L-5