MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.111 「オリヲン座からの招待状」 (2007年 日本 116分 ビスタ)

2007-11-24 01:49:16 | 2007年劇場鑑賞
監督 三枝健起
出演 宮沢りえ
    加瀬亮
    宇崎竜童


本日は映画を三本見る日・・・つくづく暇やねぇ~朝一のシネコンは年配の方が多いですね~ しかも作品が「オリオン座からの招待状」て事で余計年輩の方が目立ちます。
古い映画館が閉館すると言う浅田次郎原作の物語。

あらすじ)

昭和25年の開館以来、オリヲン座の館主を務めてきた豊田松蔵(宇崎竜童)が病に倒れ、その弟子だった留吉(加瀬亮)が志を引き継ぎ、先代の妻トヨ(宮沢りえ)と映画館を守ることになった。
映画産業が斜陽になり、周囲の人間に陰口をたたかれながらも、2人は映画を愛し、互いを思いやり続けた。

私も子供の頃通った劇場が次々と閉館になり、その度に寂しい気持ちに何度もなりましたが、この作品に登場する二人の少年と少女のエピソードが実にほほえましく思いますね。
一軒の映画館に様々な人々の思いや人生が詰まってるんですね~
消えていくもの切なさの中にどこか暖かみがある作品ですね。
出来ればシネコンより古い町の映画館で見てみたかったな~

こういう繁華街でもない街中の映画館がすっかり無くなりましたね。
昔、私が子供だった頃近くに電気館て言う映画館がありましたが、普通の街中にポツンとある劇場でした。
東宝や松竹の作品を上映してたけど、夏休みなどになると「東宝チャンピオンまつり」なんかもやってくれてました。
よくゴジラや併映のアニメなどを見に朝から行ったもんでしたね~
そんな子供番組の上映時は学校の門の前で下校時に電気館のおじいさんが割引券を配ってたもんでした。
何かいい時代でしたね・・・この映画を見てそんな頃の記憶が甦りました。

「ニューシネマパラダイス」のようなノスタルジックな作品であると同時に先代の館主の妻トヨと館主の弟子の留吉との秘められたラブストーリーでもあります。
周囲からは何かと中傷されながらも微妙な距離を保ちながら何十年も過ごした二人の姿に心の恋愛を感じずにはいられませんね 互いに求める訳でなく ただ一緒に過ごすだけの恋愛かも知れないけど ラストに歳老いて病に倒れたトヨに秘めた想いを告白する辺りは何十年と想い続けていた事なのか あるいは何十年と経ってやっと今その気持ちを感じれるようになったのか?
いずれにしても本当に互いに必要と思える関係がそこにあるように思います。
それは大人になり結婚したあの少年と少女がこのオリオン座で二人の関係に終止符を打つ為にやって来たのと対比させてしまったなぁ~

宮沢りえが今回よかったですね。
京都弁を実に自然に使ってたと思いましたよ。
また年齢を重ねるごとにどんどん女優として成長してますね。
ま、宇崎竜堂はなんか相変わらずでしたが・・・
それと宮沢りえの晩年の姿を演じてるのが最初見た時は判らなかったけどよく見れば中原ひとみさん・・・あら~すっかりおばぁちゃんになったな~

それと原田芳雄扮する晩年の留吉が高齢で体調も悪くなり閉館する時の挨拶の時、「自分の命惜しさの為に映画を捨てるのが映画人の端くれとして恥ずかしい」という言葉が痛切でした(館内ですすりなく声が聞こえてました)



☆☆☆☆ 2007.11.22 (木) なんばパークスシネマ シアター1 10:10 I-11