MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.107 「ホステル2」 (2007年 米 94分 シネスコ)

2007-11-13 02:01:52 | 2007年劇場鑑賞
監督 イーライ・ロス
出演 ローレン・ジャーマン
    ロジャー・バート
    ヘザー・マタラッツォ



今年の年頭に公開された残酷拷問ホラー映画「ホステル」の続編が早くも公開!と言っても関東では昨年の秋に一作目が公開されてたから一年ぶりの続編の公開です。
前作は「ホステル」のような残酷ホラーの上映には相応しい天六ユウラク座での上映でしたが、今回はシネマート心斎橋と言う韓流映画を中心に上映してるお洒落なミニシアターでのレイトショー上映です。
天六シネ5ビルの妖しげな雰囲気がこの作品にピッタリだったのだが・・・
昼は洒落た韓流映画が流されるスクリーンに夜は対極的な血しぶきと肉片が飛び散る凄惨な光景が映し出される! 客層も当然違うでしょう。

(あらすじ)

米国からローマに留学中のベス(ローレン・ジャーマン)とホイットニー(ビジョウ・フィリップス)は、休暇中旅に出ることにする。
ホームシックで落ち込んでいたローナ(ヘザー・マタラッツオ)も誘い、3人はプラハ行きの列車に乗り込む。
そこで天然スパの話を聞いた彼女たちは、急きょ行き先をスロバキアに変更する。

前作は馬鹿でスケベな三人組の男子がスロバキアのホステルでとんでもない目に遭う展開でしたが 今回も物語のプロットはだいたい前作に似てるものの、今回犠牲になるのが三人の女子大生って事で残虐さと多少のエロが入り、ますます刺激度が強烈になってます。

残酷度ではやや前作に譲るもが(それでもエグイが)今回はストーリーがよく出来てますね。
単に残酷シーンを売り物にするだけではない“話しの持って行き方の上手さ”のような物を感じイーライ・ロス監督も腕を一段と上げたなぁ~と思いましたね。

パスポートの写真から読み込んだ写真をネットで流し、それを見たある特定の男たち(いずれも普段は普通に生活してる家庭やそれなりの地位もある人間)がパソコンや携帯電話で入札して行く・・・幸福な家庭に富と権力を手にしている金持たちも更なる刺激と欲求を求め殺人と言う究極の行為に胸を躍らせる様は人間の持つ怖さ以前の物を感じる・・・今回はそんなところも描かれていて興味深い。

また犠牲となる三人の女子大生と彼女たちを落札した二人の男を交互に描き、彼女たちと男たちが出会うまでの行動をサスペンスを盛り上げながら展開していく構成はよく出来てると思いましたね。

その2人の男たちのキャラがまた対照的なんですが、細かくは書けないけどその対照的なキャラこれがまた後半に活きてきたりして実に脚本も練られてますね。
いざ行為に及ぶ時の2人の反応と、その後の互いの取る思わぬ行動の“心理の逆転”は実にこの作品を面白くしてると思います。

映像もまた残酷描写だけでなく、例えば首の入った箱を届けるバイクの男が近付いてくるのをサングラスにその姿を写しこんで見せる手法などはヒッチコック映画などで見かけるテクニックを思わせて、撮りかたも結構凝っていて単に残虐ホラーだけでは片付けれない完成度もあるように思います。

それでも最大の見せ場はえげつない拷問シーンであることは間違いなく、全裸で逆さ釣りにされて下から鎌で序々に切りつけられる視覚的に痛みが伝わるような場面(最後はまさに血のシャワー!)や、電ノコで顔面直撃!などなど相手が女性であるだけに“見てる側の感じる痛み”は前作以上ですね~

昨今は残酷シーンがホラーに限らず色んな映画でも結構見受けられるので、今やそれほど驚かないようになってるが単に残酷描写だけを売り物にする映画は後に印象すら残らなくなるけど、しっかりとしたプロットと脚本が出来ていれば残虐ホラーと言えどもある意味名作となり得るかも知れないですね。

似非ドキュメンタリー怪作「食人族」の監督がゲスト出演し、劇中に人肉を食べるブラックなシャレがご愛嬌・・・
人間の持つ究極の殺人願望をホラー映画の形で表現した久々に気合の入った快作と呼ばせて頂きましょう。



☆☆☆☆☆ 2007.11.8(木) シネマート心斎橋 スクリーン1 21:00 中央右端