MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.049 「叫」 (2006年 日本 104分 ビスタ)

2007-05-23 00:54:04 | 2007年劇場鑑賞
監督 黒沢清
出演 役所広司
    小西真奈美
    葉月里緒菜



メッキリ来る回数が今年は少なくなった天六シネ5ビルですが、今夜はユウラク座にて久々のJ・ホラーの鑑賞。
春頃に上映されてた作品なんですが、見逃していたので好都合でした。
深夜の回の上映なのと妖しげなユウラク座の雰囲気、そして雨降りということで館内のジメジメした空気はホラー映画(特に日本の)鑑賞にピッタリのシュチュエーションです。

(あらすじ)

連続殺人犯を追う刑事の吉岡(役所広司)の頭に、ある日、ふと自分が犯人ではないかという疑問が浮かぶ。曖昧(あいまい)な自身の記憶にいら立ち、苦悩する彼を恋人の春江(小西真奈美)は静かに見つめている。吉岡は同僚の宮地(伊原剛志)の勧めに従い、精神科医の高木(オダギリジョー)の元でカウンセリング治療を始めるのだが……。

黒沢清×役所広司のコンビはこれで7作目になるそうですが、残念ながら他の作品は見ていないのでそれらと比較は出来ないですけど、この映画だけで見るからには役所広司の疲れ具合がまず良いですね。(他の黒沢作品でもそんな役所が多いらしいけど)
事件を捜査する内に自分が犯人ではないかと疑問を抱き、やがて幽霊を見るようになってから自分を見失い破滅への道へと落ちていく・・・そんな疲れた主人公を役所広司が好演しています。

この作品の見所である赤い服の女=幽霊ですが、それほど怖さはまり感じなかったですね。
さりげなくボ~と出るだけでなくあからさまに普通に会話をしたり、ドアを開けて部屋を出入りしたりと時には幽霊らしからぬ行動を取ったりする。
演じるのが葉月里緒菜ですが、「リング」や「呪怨」の幽霊は知らない無名の俳優さんが演じてたこともあり怖さにプラス真実味のようなものがありましたが、今回は私生活で魔性の女を発揮していたお騒がせ女優の葉月里緒菜ってこともあり何か「葉月里緒菜
やんけ・・・」と冷静に見てしまいました。

で、肝心の物語ですが少し分かり辛いものがあり、何故?と疑問がいくつも残る映画でしたね。
キーワードとしては、忘れていた過去、埋立地や次々に建つ高層ビル、見捨てられると言う寂しさなどなど・・・と言ったところかな。
発展していく大都会の中でその反面消えていく物がある(あるいは忘れ去られていく)と言う物悲しさ・・・その中に一人の男が幽霊に摂り憑かれることによってやがて知る真実の恐怖は封印していた過去の罪・・・て、まぁそんな感じの映画なんですが実際のところはもう一回ぐらい見ないとわからないですね。

ただ伊原剛志扮する刑事は一言お気の毒・・・ついでに雨降りのせいかどうかは不明だが、この日場内に何とも言えない異臭がしていた・・・観客もお気の毒(まぁ、客は我々しかいなかったけど)



★★★ 2007.5.18(金) 天六ユウラク座 23:30 中央通路際