kikoがスタート

2005年8月にスタートしました。
私が観た(見た)、感じた、覚書き、気になることを書いてます。(^^ゞ

関西初の回顧展・京都国立近代美術館 「没後100年 青木繁 展」

2011年07月05日 | 美術館・博物館
関西で初めての回顧展が京都国立近代美術館で開催されました。


わが国近代絵画史上「天才」と呼ばれた 青木繁 は、わずか28年の生涯に
幾多の名作を残していました。

明治時代の西洋一辺倒の洋画壇にあって、青木繁が神話や伝説を題材にして天才的な感性と想像力、描写力を発揮したことが彼の芸術に普遍的な価値を与えていると言われています。


本物の絵画は触ったり、写真を撮ったりすることができませんが、これは手で触れられる展示品として設置された段ボール製 「海の幸」 です。模型は浜辺で魚を背負い、列をなして歩く人びとを立体的に表現されてました。


明治の時代に鮮烈な印象・清新な感銘を与えた青木 繁の作品
■ 大穴牟知命 明治38年(1905)  石橋財団・石橋美術館所蔵
「古事記」上巻にあるオホナムチノミコト(大穴牟知命・大国主命)の受難の物語を題材としたものです。この絵を見る私達と視線を交わすように描かれたウムギヒメ(向かって右側の女性)の顔の描写が、本作品に生気をそえていると云えます。
-「読む・石橋美術館」(石橋財団石橋美術館・発行)より


■ わだつみのいろこの宮 明治40年(1907) 石橋財団・石橋美術館所蔵「古事記」上巻の綿津見の宮の物語を題材とした作品は重要文化財です。

兄の海幸彦からかりた釣り針をなくした山幸彦が、釣り針を探して海底にある「魚鱗(いろこ)の如く造れる」宮殿へとくだり、画面向かって左のトヨタマヒメ(豊玉毘売) とその侍女に出会う場面が書かれています。青木にとって記紀の神話は重要な着想現でした。

一方、海底の情景という設定、女性像のプロポーション や着衣、全体の構図などにはイギリス・ヴィクトリア朝の画家エドワード・バーン=ジョーンズからの具体的な影響を指摘する事ができます。

日本の古代も20世紀初頭の西洋も青木にとっては遠きものでした。遠きものへの憧憬を表現しようとしたところに青木の絵画世界のロマン的特色があったわけですが、そのような 表現は絵画としては未完成たらざるをえない場合が多いのです。

夭折したことも相まって、青木の画業もまた未完成の感が強いが、その中にあって本作品は 油彩画としての高い完成度を示しています。
-「読む・石橋美術館」(石橋財団石橋美術館・発行)より

∽∽∽∽∽  ひとりごと    ∽∽∽∽∽

28歳とは短い生涯ですね。貧乏で画材にも事欠く状況だったとか・・・青木繁氏は歴山帝(アレクサンドロス大王)に憧れていたことや、ハナ肇とクレイジーキャッツの元メンバー、石橋エータロー氏が青木繁氏の孫だったことには驚きました。

青木繁さんの作品「海の幸」「大穴牟知命」「わだつみのいろこの宮」などと一緒に、達筆な絵入り手紙等が数多く展示されていた中に、病気中に筆で書いた遺書的な内容の長い手紙の巻物が、生々しく感じました。

画像の追加 2011年8月28日(日)
NHKで、青木繁の展覧会の紹介があったときに放映された
「わだつみのいろこの宮」 を撮って追加掲載しました。

~~~~  今日の誕生花  日比谷花壇より  ~~~~~
花名 : アンスリウム       花言葉 : 情熱
アンスリウム属は西インド諸島や熱帯アメリカに原産する植物です。花のように見える部分は、仏炎苞と呼ばれるサトイモ科特有の葉の一種です。
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