黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『花束』木村紅美(朝日新聞出版)

2009-10-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
北海道の日本海側の港町で育ったあおい。
高校一年の時、彼女の実家の民宿を訪れた東京の大学生・杉浦に、憧れを抱き、彼から送ってもらった音楽のテープを宝物にしてきた。
そんな彼女は、今年、大学を受験したが失敗。東京郊外にある予備校に通うべく上京し、その女子寮に住むことに。
彼に似合うような垢抜けた女の子になるべく、その手本になりそうな吉川咲と仲良くなりたいと願うが、苦手な由美子と一緒にいるためなかなか近づけないでいた……“永原あおい 春”、
美大の受験の為、秋田から上京してきた咲。
彼女は、亡き兄・ハルヲの影響で少々マニアックな音楽好き。一部では熱狂的な人気を誇っていたバンド<シトロンプレッセ>のメンバーだったが、その突然の死は、自殺ではないかという憶測を呼んだ。
同郷の由美子は、昔から学校ではリーダー格で彼女もやむをえず、その傘下にいたのだが、予備校でも一緒になることに。そんな彼女が苦手だということを、あおいに打ち明けた咲は、彼女と親しくなる。
やがて、そんなあおいの知り合いだというDJ・杉浦と、関係を持つが……“吉川咲 夏”、
派手に遊んでいる風に見えるが、模試ではいつも一番の特待生・礼奈。
奄美大島出身の彼女には、島で暮らしていた時から付き合っていた彼・リュウジがいたが、ある理由で別れ、今は予備校の人気講師・速水優弥と密かに関係を持っていた。
東大確実といわれる彼女だったが、昔から本番に弱く、そのせいで高校受験も失敗していて……“貴島礼奈 秋”、
鎌倉の名家の生まれである多英。昔からボーイズラブ漫画を描いていた彼女は、何年もこの寮に居座っており、現在26歳。
寮ではクリスマスパーティーが行なわれていたが、彼女は参加せず別のパーティーに参加。その帰りに、最近めっきり元気を失っているように見える礼奈の為にケーキを買って、差し入れた。
そんな彼女からヴァイブレータを見せられた多英。
ある日、予備校の理事長をしている伯父から、来年の春に寮は閉鎖されるという話を聞き……“松元多英 冬”、
寮の管理人を務めていた柳田夫妻。女子寮が閉鎖されて、皆は巣立っていった……“エピローグ”を収録。

いろんな事情を抱えながら予備校の寮に集まった、女子たちの過ごした1年を描いたお話。青春小説。
季節ごとにそれぞれの登場人物の視点で描かれています。
個人的に、多英がコミケでBL本を売ってる、という設定にツッコミを入れたいところ満載…(コミケに出てるという割には、夏冬に参加してる気配がないところとか、礼奈の助言を受けてカップリングをあっさり変えちゃうところとか…)

<09/10/21>


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
木村さんの新作は自分をさらけ出してます (れん)
2012-01-07 18:42:03
花束、読んでみたいと思います。
木村紅美さんの新作『春待ち海岸カルナヴァル』で、木村さんの
世界が気になってしまって・・・。

木村さんご自身を解説する記事も見つけました。
http://www.birthday-energy.co.jp
本来は主婦(肝っ玉かあさんw)がお似合いみたい、
だけど快しとしない性格だから、作家さんなんですって。
東洋史観ってこんな事まで分かるんですね。視点が違うとオモシロイです。
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Unknown (似夜)
2012-01-10 18:09:28
>れんさん
新作出てましたね(表紙だけは確認してたのですが)。
わたしはまだ『花束』しか読んでいないのですが、折をみて読んでみたいと思います。
作品や作者を別の観点から読み解く、というのは興味深いアプローチですね。
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