黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『花まんま』朱川湊人(文藝春秋)

2005-11-13 | 読了本(小説、エッセイ等)
父が事業に失敗したことから、大阪の下町にある文化住宅で暮らすことになったユキオ。やがて同じ住宅に暮らす在日朝鮮人の兄弟チュンジとチェンホと仲良くなる。しかし病弱だった弟・チェンホが亡くなっていまい、その後近所では彼の姿を見たという人々が現れ……『トカビの夜』、
高架下にいた怪しげな男から世津子が買った謎の生物。そのクラゲのような生き物に魅了されていく彼女だったが……『妖精生物』、
アキラの、遊び人だった叔父・ツトムが歩道橋から落ち亡くなった。その葬式を終え、焼き場を目の前に彼を乗せた霊柩車が動かなくなってしまい……『摩訶不思議』、
俊樹は亡き父の言葉を守り、妹・フミ子を守っていた。しかしそんなフミ子の様子が4歳の冬を境におかしくなり、人が変わったようになってしまった。そんな彼女がある日行方不明に。手掛かりを探そうとフミ子の自由帳を開いた俊樹は、そこに"繁田喜代美"という名を見つけ……『花まんま』、
"生きているものを殺す"言霊の力を使うことのできる、親類のおばさん。そんな彼女の手伝いをすることになったみさ子は……『送りん婆』、
いわれのない差別を受け、ようやくできた友人にも去られ、孤独を抱える少年・ミチオは、ある日霊園でミワという女性に出会い、親しく話すようになるが……『凍蝶』の6編。

少し昔の大阪の下町を舞台にした短編集。
全体的に、『不思議』とどこか物悲しい時代の雰囲気が調和した感じが良かったです。

<05/11/13>

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