黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『一矢ノ秋 居眠り磐音 江戸双紙』佐伯泰英(双葉社)

2011-08-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
安永十年春。桂川甫周国瑞と桜子の祝言が執り行われることとなり、本来その役目を負うはずだった坂崎磐音・おこんに代わり、品川柳次郎・お有が仲人を務めることに。
その数日前、御典医も務める桂川家への手土産の品に悩んでいた柳次郎は、たまたま地藏の親分に行き会い、相談する。昨年自らの婚礼に金を使ったばかりで金のない柳次郎に、釣り好きな親分は、桜鯛を釣って持参すると約束する。
ちゃんと釣れるのか心配する品川家の人々だったが、親分は約束どおり二匹の鯛を持参。それを持って、お有とともに今津屋と桂川家へと向かった柳次郎。
その後、お有の懐妊が明らかになり浮かれる中、国瑞が磐音は偽名で書状を送ってきた旨を語る。
今は上方近辺におり、子が生まれたことなど近況が記されており、さらに国瑞に旗本新番組番士・佐野善左衛門政言を訪ねて欲しい、という内容だったという。
その帰り、神保小路の尚武館佐々木道場が壊される場面に遭遇し、複雑な思いにかられる二人。そんな姿を見咎められた二人を助けたのは、小田平助だった……“第一章 春之章 桜鯛さわぎ”、
安永十年は四月二日に天明元年に。しかし姥捨の郷ではいつも通りの暮らしが続き、空也はすくすくと育っていた。
季節は夏。田植えの季節で雑賀衆の男衆が戻ってくる季節だ。
弥助と霧子は京都の様子を伺うためにたびたび往復。磐音を狙う雹田平は、京の破れ寺を拠点とし、茶屋本家中島家を見張っていた。そんな中、郷に戻るはずの男衆三人が殺害された。雹たちが郷に入るための入口を聞き出すために、彼らを責め苛んだらしい。そんな彼らの仇を討つ磐音たち……“第二章 夏之章 早苗蜻蛉”、
松平辰平は、磐音から佐野へと託された書状を届けるため、江戸に。その際、佐野家の系図を持っている雹が、京にいることをもらした辰平。三日後に屋敷に、といわれた辰平が訪ねると、佐野と用人は京に向かって旅立ってしまった後だった。
困った辰平は、小田平助を頼り、二人はそのまま京へと向かう。途中で、磐音へ緊急事態を知らせるべく、光然老師宛てに書状を送る……“第三章 秋之章 ぴらぴら簪”、
愛妾おすなが田沼の名代で高野山を詣でることに。それは、表立っての名目で、実際は磐根たちの抹殺を直接指揮するためだった。いよいよ決戦の時を迎え……“第四章 冬之章 七人の侍”、“第五章 再び春之章 決戦”を収録。

シリーズ第三十七弾。いよいよ雹とおすなとの対決の巻でした。
しかし一冊で数日しか進まないことのあったこのシリーズで、一年間を一冊で表現とは…(笑)。
田沼失脚まではまだ数年、間がありますが、この辺もあっという間に過ぎるのかな?

<11/8/19>


最新の画像もっと見る

コメントを投稿