黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『抒情的恐怖群』高原英理(毎日新聞社)

2009-06-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
ライターである園田は、同業者の堂本から聞いた、顔が半分の少年が現れるという都市伝説を取材する為、その場所・彌虎町5丁目を訪れた。
その町に住む老人・輪田津に“町の底”と呼ばれる場所と、戦時中に町内で起きたある出来事について聞くことに……『町の底』、
<田深町二番地16>に住んでいた、田波家。その娘・邦子が押入れに祀っていたらしい何か、そして彼女の同級生の・梶井という女生徒の事故を発端として、隣接する家・マンション・店に次々と不幸が伝播してゆく。
その近所に住んでいる伊東田一郎は、そこにある法則性を見出す……『呪い田』、
大手出版社に勤める真山の新居祝いに出向いたライターの“私”。その帰りに乗ったタクシーの運転手・木橋昭一郎が語る話。
彼の出身地だという存田村という村で、幼い頃、一村名家中の名家・伴居家で祝言があり、お屋敷に招かれた彼は、奥座敷のさらに奥の秘密めいた場所に閉じこめられている少女を見たというが……『樹下譚』、
死んだはずの人間が歩き回る世界。
1年ほどまえに亡くなった恋人・和花との日々を少しでも永らえようとする青年・アキ。そんな彼女と夜の散歩に出かけるがだったが……『グレー・グレー』、
アパートで一人暮らしをしている沢戸峰子は同性を愛し、またサディスティックな性癖の持ち主。19歳の時、ミオという娘に密かな思いを寄せ、噛みつきたいという欲望にかられるが……『影女抄』、
久しぶりに、妻子抜きで実家に里帰りした宮木行雄は、かねてより気になっていたことを調べて見ることに。
彼が小学2年生の時、父と一緒に“呻多宮”と呼ばれていた場所の“ゆぐみ場”で、半分に千切れ、上半身だけになった男の死体を見たことがあり……『帰省録』、
家具がなにも置かれていない部屋に住む友人・此枝次郎の元を訪れた“私”は、彼からある話を聞かされる。
今から11年前の、大学3年在学中の夏期休暇の折、たまたま知り合った朽木という男の紹介で、良い条件で古い屋敷の留守番を引き受けた此枝。彼の世話をするふゆという娘と共に時を過ごすが、そんな彼は小さな手足があちこちから生えてくる幻想を見る。ふゆ曰く、部屋の障りが身体からそれらを生むという……『緋の間』の7編収録。

ゴシックホラー短編集。
あまり直接的な描き方ではなく、どちららかというと坦々とした筆致。じわじわと迫ってくるような恐さが印象的です。
……あまり人がいない場所とかでは、ちょっと読めません(笑)。

<09/6/27>


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