黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ルピナス探偵団の憂愁』津原泰水(東京創元社)

2008-07-15 | 読了本(小説、エッセイ等)
高校時代、数々の事件を解決してきたルピナス探偵団の4人……吾魚彩子、桐江泉、京野摩耶、祀島龍彦もそれぞれの道を歩んでいた。
短大卒業後、富豪・日影忠治の元に嫁いでいた摩耶が、難病といわれるフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に罹り、25歳の若さで急逝。生前彼女は、ユリノキが生えている日影家の土地の一部を、無理をいって寄贈させ、そこに不可解な道を作っていた。告別式で顔を合わせた彩子たち3人は、その謎を追って……『第一話 百合の木陰』、
同じ大学に通っていた祀島と彩子。大学教授・石神井玲に気に入られた祀島のお供で、吉祥寺にある彼の豪邸に食事に行くことになった彩子。そこに、彼女が投稿した短編が入賞した折に苦言を呈した小説家・蒲郡要が現れた。蒲郡は、彼の飼い犬・サンジュウ(忠犬ハチ公の末裔との触れ込みで買った犬)とともにすぐ側に住んでいるのだという。その後、彩子たちが帰路についた後に、蒲郡が襲われるという事件が起き……『第二話 犬には歓迎されざる』、
国立大に通うキリエに頼まれ、合コンに参加することになった彩子。しかも刑事である姉・不二子まで無理やり参加してきて、大迷惑。そんな合コン会場で出会ったのは、彼らがかつて関わった密室事件の関係者・日野慶太だった。被害者である彼の姉は、ストーカーにつきまとわれていて……『第三話 初めての密室』、
卒業式を目前にしたルピナス学園で事件が発生。兎小屋で、理事長・多々良で殺害されたという。4人はシスターたちの目を盗みつつ、現場に忍び込んで調べ始めるが……『第四話 慈悲の花園』の4話収録。

ルピナス探偵団シリーズの続編。
大人になった彩子たちから時を遡って高校卒業までに遭遇した事件のエピソード。
最初に探偵団の再結成がされないことが決定しているだけに、『慈悲~』での誓いが切なく感じます。

<08/7/15>


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