黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『闇の喇叭』有栖川有栖(理論社)

2010-07-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
平世21年の日本。
第二次世界大戦後、ソ連の支配下におかれた北海道は日本から“日ノ本共和国”と称し独立。北のスパイが日本で暗躍している。そんな中、政府は国内外に監視の目を光らせ、警察は犯罪検挙率100%を目標に掲げる。探偵行為は禁じられ、探偵狩りも激しさを増していた。
片田舎の奥多岐野にある、県立多岐野高校に通う2年生…有吉景以子、小嶋由之(ガンジス)、空閑純(ソラ)たちは、そろそろ進路について考え始める時期に差し掛かりつつも、まだまだのんびりと青春を謳歌していた。
そんな純の両親は大阪で探偵をしていたが、ある日、母・朱鷺子はメールを残して姿を消し、以来4年、表向きは翻訳家である父・誠とともに母の実家であるここに移り住み、その帰りを待っていたのだった。
そんなある日、スパイを探してあちこちをパトロールしていることで有名な男・伊敷紀彦に遭遇した三人。このあたりでは見かけぬ、不審な女を見たのだという。しかも駅のノートに謎の言葉も書き残していたらしい。
その後、亀鳴山で男の全裸死体が発見された。徴兵制度の布かれた日本では、すべての男子が登録されており、すぐに身元は判明するものと思われたが、何故か身元不明のまま。先に目撃された女が犯人ではないかと疑われる中、伊敷が海慧鼻と呼ばれる崖の下の岩場に落ちて死んでいるところが発見され……

今の日本とは違う歴史を辿った日本を舞台にしたパラレル設定。探偵行為は禁じられ、狩られる存在。
両親を探偵に持ち姿を消した母を待つ為、大阪から引っ越してきたソラは、友人の母が事件の容疑者になったことから、父と密かに事件を調べることに…というミステリ。
あとがきで言われているように、まさしく<はじまりの物語>…これからソラがどんな人生を歩んで行くのか、気になります。

<10/7/30,31>


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