黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『居眠り磐音江戸双紙 寒雷ノ坂』佐伯泰英(双葉社)

2010-01-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
江戸深川六間堀、金兵衛長屋で浪々の日々を送る坂崎磐音。
ひと月前に負った刀傷はほとんど癒えていたが、鰻割をするにはまだ微妙な感覚が戻らず、仕事ができないことから、食べるものにも事欠く始末。
そこへ、無職の貧乏御家人の次男坊・品川柳次郎がやってきて、一緒に内藤新宿まで職探しに出かけることに。内藤新宿では、太宗寺の門前の縄張りを巡って、金貸しの黒木屋左兵衛と渡世人の新場の卓造が争っており、助っ人を集めているという。同じく貧乏御家人の安藤新八が、既に卓造一家に身を寄せているというので出かけて行ったふたりだが、彼は追い出された後。何とか黒木屋の方にもぐりこむが、やがてその縄張り争いを煽っている輩がいると知る……“第一章 寒風新宿追分”、
安永元年も残り三日。先の仕事は金にならず、相変わらず汲々とした日々を送る磐音は、鰻取りの少年・幸吉から紹介され、両国広小路の矢場の用心棒をすることに。
先頃、楊弓場荒らしの集団が現れ、賭矢を申し込んでは金をふんだくっているという……“第二章 東広小路賭矢”、
先に知り合った、南町奉行所の与力・笹塚孫一から佐々木道場に顔を出すようにと伝言を受け、出かけた磐音。
先日、磐音の家に無断で押し入ったものは、豊後関前藩の者らしいと知る。
そんな中、再び鰻割きの仕事を始めた磐音は、新たな仕事も引き受けた。柳次郎の父の釣り仲間である、元大工町の蝋燭屋明石屋参左衛門が囲っている、妾・おきくの浮気の相手を説得する仕事だ。
やがて、かつて磐音が主宰していた修学会の仲間で、勘定方をつとめる上野伊織がやってきた。彼は、磐音たちの悲劇は、藩内の改革を望まぬ何者かによって仕組まれたものだと聞かされる……“第三章 柳橋出会茶屋”、
再び、両替商今津屋の仕事を引き受けた磐音。
今津屋に借財を持つ、元中奥御小姓衆の岡倉美作守恒彰が、甲府勤番の職に就いたと聞き、貸していた金の取り立てに出かける今津屋の供をするのが役目。なんとか金は取り立てられたものの、後々まで狙われることとなり、柳次郎たちの手を借り、護衛をすることに。
そんな中、伊織から手紙が届き……“第四章 広尾原枯尾花”、
宍戸派の行動を気にしながらも、しばしのんびりとする磐音。何かと世話になっている幸吉と朝風呂に出かけた磐音は、そこで見かけた入墨の男が、天ぷら屋で因縁をつけているところに遭遇。泥亀の米次というその男と仲間たちを撃退する。
そんな中、鉄砲洲の料理茶屋深山亭で、宍戸有朝の江戸次席家老着任を祝う宴が催されていること知る磐音だったが、伊織からの連絡が途絶えていた。やがて彼は遺体となって発見され……“第五章 蒼月富士見坂”を収録。

シリーズ第2作。江戸で暮らし始めた磐音は他の仕事も請け負うけれど、トラブルに巻き込まれた挙句、金にならずに貧乏暮らし。そんな中で、実は磐音が藩を出る理由となった悲劇が、実は仕組まれたものだと判明し……なお話でした。
前巻は結構順調に職を得ていたのに、今回は散々な感じかも(でも何気に鰻割きの腕前は上がってるのが…/笑)。

<10/1/30>


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