黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『三匹のおっさん ふたたび』有川浩(文藝春秋)

2012-04-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
清一の息子・健児の嫁である貴子が、知り合いの肉屋・永田精肉店でパートを始めて一ヵ月ほどが経った。
しかしお嬢様育ちの彼女はテンポも遅く、気も効かないことから、職場で孤立気味。同じパートのボス的存在である克恵からはたびたび怒られていた。
辞めたいのはやまやまだったが、プライドが許さず仕事を続ける貴子。
そんな中、声をかけてきてくれるようになった同僚・小島育代と親しくなり、職場環境が改善されたかに思われたのだが……第一話、
重雄が、毎月将棋雑誌を買いに行く、商店街の書店<ブックスいわき>は、店長の井脇が営む個人経営の書店。
孫・奈々のための仕掛け絵本でも買おうかと、二階へ行くと、そこで万引きしようとする中学生たちに遭遇。どうやら彼らは常習犯であるらしい。
万引犯を捕まえるのではなく、未然に防ぎたいという井脇の意志を尊重しつつ、書店での見回りを始めた三人は……第二話、
新学期が始まったものの、成績が下がり呼び出しをくらい落ち込む早苗。そんな彼女を励ます祐希だったが、八つ当たりされてしまう。
成績が下がった原因は、則夫の妹・幹代が持ち込んだ縁談。見合い相手の山野満佐子は、カルチャースクールでフラワーアレンジメントを教えているバツイチの中年女性。
以前、彼女は泥棒に入られそうになったことがあったのだが、三人が未然に防いだ経緯があり、この話に大乗り気で……第三話、
喫煙してゴミを散らかしていた中学生を、注意した清一。その後、エレクトリック・ゾーンの駐車場で、ゴミが放置される事件が多発した。
清一への腹いせかと思われたが、ゴミの量からして、自転車で行動している彼らがそれを運ぶのは難しい。
犯人を突き止めるべく、夜回りを始めた張り込みをする三人だったが……第四話、
重雄の息子・康生は、幼い頃、他の父親たちと違い、サラリーマンではない重雄を嫌っていたが、地元の祭の時に活躍する姿だけは、別だった。
しかし、数年前、皐神社の宮司が代替わりしてからというもの、祭をすることもなくなってしまった。
祭をもう一度見たいと思い立った康生は、商店街の人々たちに働きかけ、復活に向けて動き出す。宮司の許可は得られたものの、代替わりした町内会長は、信仰上の理由から寄付のとりまとめを拒否。寄付も思うように集まらず……第五話、
年が明け、センター試験が終わった。夜、予備校帰りに靴紐を結び直していた祐希は、いきなりかばんの中身を見せろという三人の男たちに出会う。どうやら放火犯を捕まえようとしているらしい彼らの、物言いに腹を立てた祐希だったが、通りがかった清一の仲裁で、事は収まる。
どうやら彼らのうちの一人である松木邦久が、清一の妻・芳江の昔馴染みで、スーパーでたまたま再会した折に、清一たちの夜回りの話をしたことが彼らの行動の発端であるらしい。
やがて、彼らが放火犯を取り押さえたことが記事となり、増長するのではと危惧する祐希の心配どおり、犯人を捕らえようとした清一たちを邪魔をした上、対抗心むき出しで……第六話、
転勤族の父を持つ小学6年の富永潤子は、再び転校することが決まった。
盛り上がる同級生の態度を冷静に受け流していたのだが、そんな中、クラスメイトの少年・日下部くんが花の名を教えてくれるようになって……ボーナストラック“好きだよと言えずに初恋は、”を収録

定年後、近所のアミューズメントパーク<エレクトリック・ゾーン>に再就職した剣道の達人・清田清一(キヨ)、柔道家で居酒屋<酔いどれ鯨>の元亭主・立花重雄(シゲ)、機械をいじらせたら無敵の頭脳派、工場経営者の有村則夫(ノリ)の三人がご近所のトラブルを解決するシリーズ・第2弾。
今回は三匹たちよりも周囲の人々がより描かれているような…。
ボーナストラックは『三匹~』よりも『植物図鑑』寄りの話だったので、何故ここに?と思ったら、潤子が前作に出てたのですね(すっかり忘れてる/笑)。

<12/4/27,29>


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