黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『マラリア』桂美人(角川書店)

2008-08-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
2006年、福井・永平寺で修行を続ける青い眼の美貌の雲水・唯慧。彼がこの地を訪れてから2年の月日が過ぎようとしていた。そんな彼の正体は、標的の右目を狙撃することで知られていた凄腕のスナイパーとして指名手配されているダニエーレ・ケイ……そしてアンジェロと呼ばれていた男。
3年前、アフリカの小国・シエラレオネ共和国。そこを訪れるスタニフワフ枢機卿の暗殺を依頼されたアンジェロと、彼を兄のように慕っていたレオと仲間たち。ところがそれは、彼を嵌める為の謀略でもあった。組織のトップである<プリンス>が枢機卿とともに彼も一緒に消そうと考えていたのだ。負傷しつつも返り討ちにしたアンジェロとレオは、辛くも生き残ったが、彼はマラリアに罹り、病院で離れ離れになってしまう。
その後、彼らが育った施設、リヴィア・ハウスを訪れ、そこの園長であったリヴィア・コリーニに宛てられた、日本からの郵便物の束を見つける。それは、法聴寺にいる神坂将巳から出されたものだった。そして2004年1月、日本にやってきたアンジェロは、横浜の法聴寺に将巳を訪ねる。そこで彼から、野上聡という偽名を付けられたアンジェロは、寺の和尚の従弟である仏師・秀才に気にいられ、しばらくそこで手伝いをしながら過ごすことに。ところが2月26日、将巳が突然拳銃自殺を遂げてしまう。『妄心』という書を遺して……
一方、東京地検特捜部で検事として働く神坂将史は、最近、自分の身辺を探っているものがいるらしいと聞かされる。そんな中、職場の上司や父の知り合いであった外務省の人間たちから、父・将巳の知り合いであった神父ダレン・トーマスが、サン・ピエトロ広場で起きた射殺事件で亡くなったことを知らされる。
彼の父は、外務省官僚であったがその職を辞し、2年前に拳銃自殺を遂げていた。将史は愛人との間にできた子どもということで、彼に引き取られて育ったが、その口添えをしてくれたという、書道大家である祖父・清将は、現在病の床に伏していた。
父について知ろうと思いたち、彼の終焉の地である法聴寺を訪れた将史。そこでいままで存在を知ることのなかった、野上聡という、自分によく似た特徴を持つ人物について聞かされ……

時代や場所があちこちに飛んでいるので、めちゃめちゃあらすじが書きにくい~;いっそ年表にでもまとめたいくらい(笑)。
さらにアンジェロを捕まえようとしているカラビニエーリ(警察みたいなもの?)のベルナルド大佐側の動きとか、神坂父や神坂祖父の秘密、ヴァチカンの秘密とかいろいろ入り乱れて、てんやわんや(わたしの頭が/笑)。
それなりに面白く読めましたが(美形率は高いし)、タイトルである『マラリア』に対する言及がいまいちなので、もっと説明があった方が良かったかなぁと思ったり。

<08/8/31>


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