『さがしものが見つかりません！』秋山浩司（ポプラ社）

大阪大学には、豊中、吹田、箕面の三つのキャンパスがあり、学部により分かれている。それぞれに学生会があり、それらは何かと張り合い牽制しあい、主導権争いが行われているらしい。
そんなことには関わらずに、サークルにも入りそびれたまま、華やかなキャンパスライフを謳歌できないまま二回生になり、吹田キャンパスと下宿を往復するだけの地味な毎日を送る、工学部の山月。
少し前にレンタルDVD店で、同じDVDに手を伸ばして譲られた、という経緯のあったアロハの男・物部語朗に再会。彼も同じ二回生なのだが、いろいろな事情によりちょっと年上らしい。半ば強引に、彼の主宰するMFLという謎のサークル…物部語朗と、眼鏡美人の花子さんの三人きり…に引き込まれてしまう。
最初の仕事は、豊中学生会に潜入し、資料室から昨年度の会員名簿をコピーしてくること。ひょんなことから、物部が先代の豊中学生会の会長であったことを知る。
さらに吹田学生会会長・吹田修一こと臼井修一（会長は代々そのキャンパス名を名字として名乗るシステム）を追い落とそうとする豊中の学生会会長・豊中秋成（雨宮秋成）の企みを阻止する計画に駆り出されたり……

阪大工学部二年のさえない青年・山月が、ひょんなことから知り合った同じ阪大二年（ただし年は上）の物部に誘われて謎なサークルに引き込まれ、対立する学生会同士の闘争などに巻き込まれていく青春ラブコメ。
なんとなく物部太郎を思い出す名前（笑）。
雰囲気はモリミーっぽくてそこそこ楽しめるけれど、ちょっと何かが足りない…；

<13/3/12,13>