かつては毎日のように来ていた為に、このあたりの地理をよく知る“わたし”は、再びその地へ迷い込んだ。山の麓には一軒の家があり、そこにはあるじである男が住んでいる。しかしそこは麓ではなく、崖の上だという彼。朝になったら帰るというわたしに、男は夜は明けないと告げる……『帰り道』、
“わたし”の人生にはしょっちゅう決定的な粗忽が生じる。2時間も獲物を狙っていたはずなのに、何故か老姜の腕を空気銃で打ってしまったり……。
“わたし”と如姝は、同じときに鶴の夢をみた。あの鶴は良いことの始まりだと、感動したふたりだったが、その帰り道にわたしを“おいぼれ”と呼んだ。ほどなく、わたしは彼女のきちがいじみた性格を知ることに……『黄菊の花によせる遐かな想い』、
今日、彼と“わたし”は逢引する。彼はわたしと同じタイプ。ここ数年、さまざまな人と逢引をしているわたしだが、どの人もわたしが思い描くような人だ。そんな彼が、午後三時にある無人島に行くようにとわたしにいった。しかし行かなくてもいいという。結局、出かけたわたしは……『逢引』、
母が溶けて、たらい一杯分の石鹸水になってしまった……このことを知る人はいない。もし誰かが事のてんまつを知ったら、その人たちはきっと、“ぼく”のことをけだものだと罵るに違いない。去年から台所で寝るようになった彼女は、たびたびぼくを呼び、苛む。彼女は、自分の職場の課長・王其尤の娘の元にぼくを入り婿させようと、もくろんでいて……『汚水の上の石鹸の泡』、
甲羅をつけた昆虫の父。服の中身は冷凍肉である母。飯碗の縁をかじる妹・三妹。医師や探偵を名乗りつつ、天井に貼り付いている妹の婚約者。そしてぼく……。家族それぞれが語る物語と、ぼくのいくつかの夢の行方は……『廊下に植えた林檎の木』を収録。
中国人作家の幻想小説……幻想というより奇想な感じ?
『黄菊~』は2部構成。『廊下~』のみ中編。
カフカっぽくもあり、(『逢引』のあたりは)ボルヘスっぽくもあるような感じですが、かなり独特な世界観の作品ですね~。ほとんどの作品で共通しているテーマは『夢』な気がしますが、夢は夢でも悪夢っぽい(笑)。
<08/8/8>
“わたし”の人生にはしょっちゅう決定的な粗忽が生じる。2時間も獲物を狙っていたはずなのに、何故か老姜の腕を空気銃で打ってしまったり……。
“わたし”と如姝は、同じときに鶴の夢をみた。あの鶴は良いことの始まりだと、感動したふたりだったが、その帰り道にわたしを“おいぼれ”と呼んだ。ほどなく、わたしは彼女のきちがいじみた性格を知ることに……『黄菊の花によせる遐かな想い』、
今日、彼と“わたし”は逢引する。彼はわたしと同じタイプ。ここ数年、さまざまな人と逢引をしているわたしだが、どの人もわたしが思い描くような人だ。そんな彼が、午後三時にある無人島に行くようにとわたしにいった。しかし行かなくてもいいという。結局、出かけたわたしは……『逢引』、
母が溶けて、たらい一杯分の石鹸水になってしまった……このことを知る人はいない。もし誰かが事のてんまつを知ったら、その人たちはきっと、“ぼく”のことをけだものだと罵るに違いない。去年から台所で寝るようになった彼女は、たびたびぼくを呼び、苛む。彼女は、自分の職場の課長・王其尤の娘の元にぼくを入り婿させようと、もくろんでいて……『汚水の上の石鹸の泡』、
甲羅をつけた昆虫の父。服の中身は冷凍肉である母。飯碗の縁をかじる妹・三妹。医師や探偵を名乗りつつ、天井に貼り付いている妹の婚約者。そしてぼく……。家族それぞれが語る物語と、ぼくのいくつかの夢の行方は……『廊下に植えた林檎の木』を収録。
中国人作家の幻想小説……幻想というより奇想な感じ?
『黄菊~』は2部構成。『廊下~』のみ中編。
カフカっぽくもあり、(『逢引』のあたりは)ボルヘスっぽくもあるような感じですが、かなり独特な世界観の作品ですね~。ほとんどの作品で共通しているテーマは『夢』な気がしますが、夢は夢でも悪夢っぽい(笑)。
<08/8/8>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます