黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『桜の森の満開の下』坂口安吾(講談社)

2008-04-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
一種のディレッタントであった韮山痴川。浅間麻油という出鱈目な女詩人と関係を持っていたが、彼女には他に何人もの恋人がいた。いつか彼女を自分の手で殺すという幻想にとらわれていた痴川だったが……『小さな部屋』、
雪国の山奥の寒村に若い禅僧が住んでいた。身持ちが悪く評判が悪い彼は、同じ村の農婦・お綱に惚れて……『禅僧』、
越後国魚沼の僻地に、閑山寺という寺があり、そこの住持・六袋和尚は徳望が高いと近隣に知られた存在だった。ある時そこに、一匹の狸が助けを求めてやってきた。その狸・団九郎は、その後も和尚の元に通うようになったが、和尚はまもなく亡くなり、団九郎は人間に化けて、その地位につくことに……『閑山』、
花山院の御代に、紫の大納言という人がいた。ある晩、歩いていると、一管の笛を拾った。それは月の国の姫にかしずく侍女が落としたもので、それを返して欲しいという。しかし彼女を帰したくない大納言は……『紫大納言』、
加茂五郎兵衛というかつての政治家であった人物の伝記編纂に当たることになった“私”は、昭和×年、その実家である加茂村を訪れて……『露の答』、
鈴鹿峠の桜の森の下は、何故か皆が避けて通る場所になった。そうなって何年後かに、この山に一人の山賊が住みはじめる。旅人を襲っては金品や女を略奪していた彼は、ある時襲った女を女房にする。彼女は他に7人いた女房たちを殺すように指示、その後首を所望するようになり……『桜の森の満開の下』、
小説家が原稿用紙に特別な思い入れがあるように、土と農民の関係というものは、はるかに深刻なものに違いない……『土の中からの話』、
秀吉がもっとも怖れた人物は家康だが、その次に怖れていたのは、黒田如水だという。何を企むか油断がならぬ奴という評価をされていた彼は……『二流の人』、
狸オヤジだといわれている家康。しかし、三河生来の狸かというと、そうとはいえない面もあり……『家康』、
日本史には、持統天皇から始まる、女性時代ともいうべき女帝時代があった。その中で登場した、孝謙天皇であり、彼女の存在により、権力を持つこととなった弓削道鏡であった……『道鏡』、
ヒダ随一の名人といわれたタクミであった親方の元で働いていた耳男。夜長の長者からの招きに、親方の代わりに応じることになり、長者の娘・ヒメの為に、ミロク像を作って欲しいといわれる。しかし、耳男が作ったのは恐ろしいモノノケ像で……『夜長姫と耳男』、
松波基宗という北面の武士の子供として生まれた峰丸。非凡さを備えていたことから、仏門に入り、その後油売りとなり、金を作った彼は、侍となった。のちの名を斉藤道三という……『梟雄』、
金沢で生まれた剣術家・楳本法神は、諸国行脚の末独自の剣技を編み出し“法神流”という流派を立ち上げる。群馬の利根郡に定住するようになった彼は、やがて招かれて、弟子である房吉と共に江戸に出るが……『花咲ける石』の13編収録。

表題作のみ再読。桜が綺麗な時期に読み返したいなぁと思い、読んでみました。
ずっと読んでみたいと思っていた『夜長姫と耳男』もようやく読めて嬉しかったです♪
『桜の森~』に出てくる女同様、『夜長姫~』のヒメもサロメティックな感じ。

<08/4/10>


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