黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『鐵道心中』岩井志麻子(双葉社)

2008-06-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
時は、大正。東京帝國大学教授・岩竹林太郎の令嬢として何不自由なく育ち、井内商会社社長令息・井内蒼輔氏の夫人となった、近隣でも知られた美貌の持ち主・露子が、井内家のお抱え運転手であった酒井大紀と鉄道心中を図った。露子は死線をさ迷うほどの重傷を負ったが、大紀は軽傷だった為、現場からひとり遁走。
若き新聞記者・竹中直吉によって書き立てられ、その後全国に広まった彼らの心中話は、やがて流行歌を生み、一大醜聞として世間の話題をさらう。
その後も、露子に下心を秘めた直吉はしつこくかぎまわり、酒井と親しくしていたという、飲み屋で働く醜女・大山ヤスに話を聞きにいく。
一方、九死に一生を得るも、井内家から離縁された露子は、怪しきカフェーの女給となっていた。井内家の義父母からは疎まれた露子だったが、匿われた隠れ家では蒼輔と会い、幼い息子とも度々会っていた。そんな彼女は、我が子に怖い夢を語って聞かせ……

大正時代に実際に起きた心中事件をモチーフとした作品らしいです。
恵まれ過ぎることが人にとって不幸せとなることもある……幸せとは何か、と考えさせられるお話でした。

<08/6/26>


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