黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『春風を斬る 御算用日記』六道慧(光文社)

2012-10-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
文化八月、正月。見合い話が持ち上がっているという早乙女一角。結婚したくない訳ではないが、意に添わぬ相手と一緒になるのが嫌だという。その所為で早乙女の両親に顔を出すのも気が重いという彼に付き合い、一緒に四谷にある早乙女家の組屋敷へと顔を出した生田数之進。そこで待ち構えていたのは、浅草の札差・雲井新右衛門と、娘のおひろ。おひろはまだ幼く、微妙な空気の中で、厠に行きたいと言い出せずもじもじとしていた。姉たちとの関わりから、彼女の様子に気がついた数之進は、自分が席を立つのに合わせて、彼女を連れ出して、一角も一緒に逃げ出した。
一方、冨美は、正月の七福神巡りを名目に、大屋の彦右衛門と三紗の縁談話を計画している様子。そんな大屋を介して、米屋の小僧から、店から逃げ出した鼠退治用の猫の相談を引き受けることになった数之進。
そんな中、今年初の潜入することになったのは、日向仙石藩白井家。藩主は年若い白井淡路守忠輝。財政が厳しく、昨年十一月に“潰”の届けが出されていた。門松も十分に飾れないほどの貧乏藩で、上層部は逃げ出し、残っているのは下級武士たちばかり。
藩主の母や藩主が身体が弱く、高価な薬が必要だったために貧乏になったらしいのだが、数之進たちを雇う余裕がある様子もなく、何とか押しかけるように入り込んだふたり。数之進は節約術を、一角はその料理の腕を活かして、皆に重宝される。
鳥を飼うのが趣味の先代藩主である大殿・忠雅、幼い嫡男の万福丸いるものの、何故か藩主は姿を現さない。
そんな中、侍の髷を切るという『髷切り魔』が吉原近くに出没するようになり……

シリーズ第五弾。今回は暖を取るのに猫を飼っちゃうくらい(猫奉行とかいる/笑)貧乏な藩に潜入。
ちょっと笑わせつつも、結構凄絶でシリアスだったりなお話でした;
御算用者という役割を受け止める側の観方もちょっと変わってきてるっぽい?

<12/10/27>


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