黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『箱庭図書館』乙一(集英社)

2011-04-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
現在小説家である“私”(=山里秀太)が、著作のあとがきで書いた、小学校時代、担任の教師・H先生との間で交わされたノートのやり取りのエピソード。
そこに綴った物語とそれに対する赤ペンでの日付の返事が、作家になった理由だと。
しかし、本好きの姉・潮音はそれを見て……『小説家のつくり方』、
閉店間際のコンビニに飛び込んできた男は、強盗だった。何とか追い返そうとする“僕”と島中さんだったが……『コンビニ日和!』、
高校の文芸部に入部した“僕”。部員は、他に2年生の先輩・小山雨季子だけで、二人きり。
日々、部室で彼女とともに毒舌合戦を繰り広げるが、クラスでは気の弱く自意識過剰な僕は、クラスメイトの女子・鈴木さんとの会話にもちゃんと答えられない。
入学して二ヶ月半が経過し、部室以外で初めて見た先輩は……『青春絶縁体』、
小学校に行く途中、鍵をひろった“僕”。優等生だと思われている僕だが、それを届けずに自分のものにした。
手に入れた鍵に合う扉を探し、さまざまな鍵穴で試してみるが、なかなか見つからない。
巷では、女子大生が行方不明になったというニュースが流れていて……『ワンダーランド』、
通りすがりの車のトランクで寝ているうちに、移動した“私”(=小野早苗)は、少年・ミツと出会う。
彼は、ボウリング場を子供たちだけの王国にしていた。
そこの住人となることに魅力を感じる、私だったが……『王国の旗』、
一月一日。母を事故で亡くし、祖父母との生活を始めて一週間もたっていないころ、散歩に出かけて町の写真を撮っていた“私”は、公園で、男性の靴跡をみかける。だが、それは入り口からベンチまでのびていて、そこで途切れていた。
同じ一月一日。“僕”は、公園でベンチに座っていると、雪を踏む音をきき、だれの足跡もなかったはずの雪面に、自分が座っていたベンチのまわりをぐるりとする、子供か女性の靴跡をみる。
翌日、気になり再び出かけた二人は、互いの姿は見えないが、雪に文字を書くことで、コミュニケーションがはかれることを発見する……『ホワイト・ステップ』の6編収録。

アマチュアの方の書かれた作品を乙一さんがリメイク、というちょっと変則的な作品集。
それぞれの短編の舞台や登場人物が、微妙につなげてあったりします。
『青春絶縁体』と『ホワイトステップ』あたりが好みかな?

<11/4/25,26>


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