黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『臍の緒は妙薬』河野多惠子(新潮社)

2007-10-31 | 読了本(小説、エッセイ等)
日中戦争が始まった頃の尋常小学校。日常に戦争の色が溶け込みつつも、変わりない生活を送っていた子供たちの姿……『月光の曲』、
50代なかばになるまで占いに関心のなかった史子は、ふと女子大のクラス会で噂を聞いた有名な占星術師に、今は亡き夫のことを(亡くなった事実を伏せて)占ってもらおうと考え……『星辰』、
知人からコーンスターチを使って像を作る方法を聞いたM子。夫の留守中に、生まれ得たかもしれない自分たちの子供の姿を想像しながら、密かにその顔を作ってみることに……『魔』、
以前、小説で臍の緒が大病の薬となる話を読んだ峰子。しかもその話を裏付けるように、兄弟たちの臍の緒の中で二度の大病をした峰子の物だけが開封され、短くなっている。母は病を治す為に、薬として飲ませたのだろうか……『臍の緒は妙薬』の4編収録の短編集。

装丁が素敵で、本屋さんで見かけて気になっていたので図書館に入ったら借りようと思っていたのですが、なかなか見かけず;……入っていたのですが、箱(?)が取られていた為真っ白になっていて、気づかなかっただけでした(笑)。
淡々と綴られた言葉の陰に、昏さが潜んでいるような作品たちでした。

<07/10/31>


最新の画像もっと見る

コメントを投稿