想う小松原と添うためには、料理人としての道をあきらめなければならない。悩んだ末、料理人として生きることを決めた澪は、その決意を小松原に伝える。聞いた彼は、すべてを自分に任せるようにいう。
やがて、小松原が周囲の誰にも真意を明らかにせぬまま、当初断る予定だったというさる旗本の姫君との縁談を受けたと知る澪の心中は穏やかではない。
さらに新作の料理を作っていなかったことに気づいた澪。つる家の名が料理番付から消えてしまったことことから、心労が祟り、寝込んでしまう……『冬の雲雀 滋味重湯』、
年が改まって、文化十三年、睦月七日。吉原廓翁屋の楼主・伝右衛門がつる家を訪れ、澪の縁組みが壊れたことを知ると、次の三方よしの日である十三日に、伝右衛門の意により又次が手伝いにやってきた。
新しい料理の工夫を模索する澪は、牡蠣を使おうと考えるが、なかなか思うように行かず、牡蠣は手をかけない方がよいとりうに云われる。
そんな中、縁談が壊れた話を聞きつけた美緒が乗り込んできた。自分の胸のうちをようやく彼女に明らかにすることができた澪。美緒の言葉に一条の光を見い出すが……『忘れ貝 牡蠣の宝船』
弥生朔日。突然、澪が匂いを感じ取れなくなってしまい、それに伴い味もわからなくなってしまう。
源斉に診てもらうと、原因は心労によるものであり、ひと月とも五年とも云いかねる状況であるという。
そんな澪の為に、種市は翁屋に交渉。ある厳しい条件を飲まされたものの、又次を助っ人としてふた月の約束で借り受けることに成功した。店にやってきた嫌な侍たちも撃退した又次の存在を、心強く思うつる家の人々。
そんな中、おりょうたちが療養中の親方を連れて、つる家にやってきた。なかなか食の進まない親方に食べてもらおうと工夫を考える澪は……『一陽来復 鯛の福探し』、
澪の嗅覚と味覚がまだ戻らないまま、約束のふた月が過ぎようとしていた。
おまけに、又次を借り受ける条件が、今後つる家に手伝いに寄越さないということであったことから、不安を感じる澪。
そして当日。いつのまにか客たちにも親しまれるようになっていた又次は、皆に惜しまれつつ店を去る。宴を開き、送り出した又次が、たすきを忘れていることに気づいたふき。それを届ける為、後を追った澪は、その後思いがけない事態に遭遇することに……『夏天の虹 哀し柚べし』の4編収録。
シリーズ第7弾。澪の成長は見られるものの、精神状態的にだいぶマイナス寄り;
読んでても辛くなる感じでしたが、最後がどうにも切なすぎ;;;;
<12/4/29>
やがて、小松原が周囲の誰にも真意を明らかにせぬまま、当初断る予定だったというさる旗本の姫君との縁談を受けたと知る澪の心中は穏やかではない。
さらに新作の料理を作っていなかったことに気づいた澪。つる家の名が料理番付から消えてしまったことことから、心労が祟り、寝込んでしまう……『冬の雲雀 滋味重湯』、
年が改まって、文化十三年、睦月七日。吉原廓翁屋の楼主・伝右衛門がつる家を訪れ、澪の縁組みが壊れたことを知ると、次の三方よしの日である十三日に、伝右衛門の意により又次が手伝いにやってきた。
新しい料理の工夫を模索する澪は、牡蠣を使おうと考えるが、なかなか思うように行かず、牡蠣は手をかけない方がよいとりうに云われる。
そんな中、縁談が壊れた話を聞きつけた美緒が乗り込んできた。自分の胸のうちをようやく彼女に明らかにすることができた澪。美緒の言葉に一条の光を見い出すが……『忘れ貝 牡蠣の宝船』
弥生朔日。突然、澪が匂いを感じ取れなくなってしまい、それに伴い味もわからなくなってしまう。
源斉に診てもらうと、原因は心労によるものであり、ひと月とも五年とも云いかねる状況であるという。
そんな澪の為に、種市は翁屋に交渉。ある厳しい条件を飲まされたものの、又次を助っ人としてふた月の約束で借り受けることに成功した。店にやってきた嫌な侍たちも撃退した又次の存在を、心強く思うつる家の人々。
そんな中、おりょうたちが療養中の親方を連れて、つる家にやってきた。なかなか食の進まない親方に食べてもらおうと工夫を考える澪は……『一陽来復 鯛の福探し』、
澪の嗅覚と味覚がまだ戻らないまま、約束のふた月が過ぎようとしていた。
おまけに、又次を借り受ける条件が、今後つる家に手伝いに寄越さないということであったことから、不安を感じる澪。
そして当日。いつのまにか客たちにも親しまれるようになっていた又次は、皆に惜しまれつつ店を去る。宴を開き、送り出した又次が、たすきを忘れていることに気づいたふき。それを届ける為、後を追った澪は、その後思いがけない事態に遭遇することに……『夏天の虹 哀し柚べし』の4編収録。
シリーズ第7弾。澪の成長は見られるものの、精神状態的にだいぶマイナス寄り;
読んでても辛くなる感じでしたが、最後がどうにも切なすぎ;;;;
<12/4/29>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます