黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『山田富士郎歌集』山田富士郎(砂子屋書房)

2013-09-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
うつくしき夢の廃墟はわれになし珍獣のためにまた人が死ぬ
あまりにもながき手脚をもてあます少年と見るプラネタリウム
秋空に黒き傘開いてゐるやうなやましさただに猫を愛する
外の面には天より降れる幾千の白猫うづくまり鳴きもせぬ
日常は夢さりながら黒猫が紅茶茶碗に足踏み入れる
今日午後のぼくの心の状態をそつと言はふか両性具有
死体なんか入つてゐないのが残念だあけたつていいようちの冷蔵庫
薔薇色に日焼けせる額かたむけてペーパーバックの百を読む
クリームパンのやうな手をして洗熊のやうなしつぽの猫が来た来た
黒猫のねむる体よりたちのぼるふかき匂ふをふかきがままに

二冊の歌集「アビーロードを夢みて」と「羚羊譚」と評論などをまとめたもの。
山田さんは新潟在住の歌人の方。ちらりと名前を耳にして気になっていたところで歌集を見かけたので、読んでみました。
猫とか金木犀とか個人的に好きなモチーフが結構出てくるので、好みです♪

<13/9/22,23>


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