『コロヨシ!!』三崎亜記（角川書店）

20XX年、“掃除”は日本固有のスポーツとして連綿と続きつつも、何らかの理由により統制下に置かれていた。
幼い頃、祖父から掃除の存在を教えられるも、その後祖父は失踪。両親は、掃除に対して何がしかの感情を持っているらしい様子であることから、掃除をしていることを言い出せず、密かに高校の掃除部で活動を続ける少年・藤代樹。
彼は、才能は持っているものの、自らの求めるところが判らず、どこか冷めたような態度で淡々と掃除を続けていた。
そんな中、新入生たちの前での掃除部のデモンストレーションの場で、宴舞を披露していた樹の誰も気づかぬ失敗を見抜き、フォローした新入生の美少女・高倉偲。しかし彼女は、掃除を知らないという。
大会出場に向け、顧問の寺西…まったく掃除について門外漢のような発言をし、部員たちから冷たい視線を浴びている…の下、活動に励む部員たちだったが、そんな中、樹の親友であり、掃除部の助っ人でもあった大介が突然姿を消し、“直轄校”へと転校してしまい……

初のスポ根青春モノ……ただし設定は、いつもの三崎ワールドなのですが（掃除が、ちょっと新体操的に芸術性を持ったスポーツで、しかも何故か国に規制されていたり監視されたりで、謎満載/笑）。
ちなみにタイトルは、その“掃除”の始まりの掛け声「頃良し」から。
まだ続きそうな雰囲気なので、これからの彼らの成長＆展開が楽しみかも～。

<10/3/8,9>